ラグビーリパブリック

TLの大会中止について会見。日本選手権の出場枠は4月中旬に発表

2020.03.23

会見を開いたトップリーグの太田治チェアマンは「安心、安全」を強調(撮影:BBM)

 ジャパンラグビートップリーグ(TL)は3月23日、新型コロナウイルス感染拡大防止に鑑み、2020シーズンの中止を発表。17時からは秩父宮ラグビー場(東京)において会見を行った。太田治チェアマンが参席。今季リーグのこれまでの試合についての個人記録は、そのまま認められるとのこと(削除されない)。TLとしては、5月の日本選手権は行いたい意向という。

 TLはすでに、別件の違法薬物使用問題から「コンプライアンス教育を徹底する」理由で、第6節を最後にリーグを中断していた。今回は、その3ラウンド(第9節、第7節、第10節)に続いて、第11節以降のすべての試合の中止を発表した。

 TLの一部ではなく、全日程を中止とした判断については、観客だけでなく選手、関係者の安心、安全を重視した結果だと説明した。TLは3月19日の政府専門家会議の検討の発表を受けて、20日に、各チームとのテレビ会議の場を持ち、情報収集と意見交換を行った。各チームからの声はTL再開を望む声から全日程中止を求める意見まで、さまざまだったという。リーグの中止は総合的な判断だとした。

 外国人選手たちをめぐる状況も厳しい。特にオーストラリア、NZ両政府からは本土への帰国勧告が出ており、選手たち自身から帰りたいとの声が上がっている。各チームへの聞き取りから、不安が広がっている情報を得たという。

 一方で、TLとしては5月23日、30日に開催(予定)の日本選手権は行いたい意向で、その出場チーム、対戦を決めるための方法については、4月中旬に発表すると明かした。出場チーム数は未定だが、「16チームになるのか、4チームになるのかわからないのですが」と太田チェアマン。各チームの状況や、感染拡大をめぐる社会情勢を踏まえて見極めていくという。

 TLの16チームには、「5月上旬をめどに試合ができるよう」連絡してあるという。この試合、とは、5月23日からの日本選手権のためのプレーオフ様の試合を指す。本来の日本選手権の日程である5月23日、30日を含め、その前の2週を使えば、4日程となり、ノックアウト制トーナメントであれば16チームの参加は可能(1回戦、2回戦、準決勝、決勝の4日程)、という算段だろう。

 薬物問題をめぐるコンプライアンスのチェックや、信頼回復の道筋については、今回の中止判断とは別のものだ。こちらは4月初旬に、これまでの規律遵守への取り組みの説明などの場を設けると語った。


*参考
 本日の会見前の発表で、TLが中止判断の根拠として示したのは3点。
(1)来場の観客、選手、関係者の健康と安全の確保。
(2)新型コロナウイルスの世界的な拡大により、ニュージーランド、オーストラリア等、各国の政府による海外に滞在する自国民への即時帰国が呼びかけられたことで、所属選手が多数帰国すること。
(3)トップリーグの全てのチームは企業スポーツとして加盟・活動しており、選手・スタッフが感染した際に企業に与える影響が非常に大きいこと。




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