東京オリンピックの7人制ラグビー(セブンズ)で悲願の金メダルを狙う男子ニュージーランド代表が、ワールドラグビーセブンズシリーズで好調をキープだ。現地時間3月7日、8日におこなわれた第6ラウンドのバンクーバー大会(カナダ)を制して今季3冠目獲得となり、6季ぶりのシリーズ総合優勝へ向けて2位以下との差を広げた。
プールCを全勝1位通過でカップトーナメントに進んだニュージーランドは、第5ラウンド・ロサンゼルス大会のファイナリストであるフィジーと南アフリカを倒して決勝進出。決勝はオーストラリアと対戦し、9点ビハインドで折り返したが、後半の序盤にオーストラリアが2枚のイエローカードをもらい、ニュージーランドは数的有利の時間帯に2トライを挙げ逆転した。残り時間1分で、今度はニュージーランドの選手がシンビンとなり、敵陣深くに入っていたオーストラリアが逆転チャンスだったが、トライを焦ったか、ロングパスがスローフォワードとなって好機を逃し、17-14で黒衣の男たちが歓喜した。
優勝はニュージーランドだったが、2日間で7万4560人の観客が集まったBCプレイスを最も沸かせたのは、地元ファンの大声援を受け奮闘したカナダ代表だった。
カナダはプールステージでフィジーなどを破りB組を1位通過し、準々決勝ではスペインに快勝で、2016年から開催されている自国大会で初の4強入り。オーストラリアとの準決勝は、5点を追うラストアタックでゴールに迫りながらグラウンディングはわずかトライラインに届かず、2017年にシンガポール大会を制して以来の優勝はならなかったが、3位決定戦では今季総合ランキング2位の強豪・南アフリカを26-19で破り、ファンを喜ばせた。
オーストラリアとカナダはバンクーバー大会で今季ワールドシリーズにおける最高成績を残し、7月下旬に開催が予定されている東京オリンピックでのメダル獲得へ向け、自信を深めたに違いない。