ラグビーリパブリック

代替地でブランビーズに14-47。サンウルブズ、4連敗

2020.03.06

ゲームキャプテンを務めたNO8ジェイク・シャッツ。長いツアーで疲労を蓄積させるチームを結束させる。(Getty Images)



 キックオフから80分が経過したことを知らせるホーンが鳴る中、ブランビーズのSHジョー・パウエルがインゴールへボールを置いた。この日チーム7個目のトライだった。
 リージャン・パシトアのコンバージョンも決まり、スコアボードに14-47のスコアが刻まれる。
 3月6日にオーストラリアのウーロンゴンでおこなわれたブランビーズ戦で、サンウルブズが大敗した。

 3月8日に大阪・花園ラグビー場で予定されていた、この一戦。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、開催地が変更となった。
 チームは2月15日のチーフス戦を終えた夜に日本を経ち、ホームを離れてすでに3週間が過ぎている。シドニーから南へ約80キロの街でのキックオフは、金曜日の14時45分。ときおり雨が降り、半袖では少し肌寒い気候だった。

 サンウルブズは、前半から7-21とリードされた。
 9分過ぎにキックカウンターから攻められる。WTBトニ・プルの突破からFLロブ・ヴァレティニ、SHライアン・ロナーガンとつながれてインゴールに入られた。
 18分にはラインアウトから攻められた。細かなパスをつながれてFLウィル・ミラーにトライラインを越えられる。0-14と先を走られた。

 ただ、20分過ぎからの約15分間はボールを手にし続けた。ブランビーズの反則から敵陣深くに攻め込む。ミスでなかなか攻め切れなかったものの、35分にはラインアウト後のモールを押し込んでHOエフィ・マアフがインゴールにボールを置いた。
 ハーフタイム前のラストプレーで、自陣から攻めたボールをノックオンし、攻守の切り替えからFLヴァレティニにトライを奪われたのは痛かった。
 しかし、前節の試合からディフェンスが改善されて後半に望みをつないだのだが…。

 ボールを長く、大きく動かし、30点を巡る攻防でクロスゲームを勝ち切るイメージを持つサンウルブズ。後半、先に点を取るのは勝利への絶対条件のように思われたが、5分過ぎに追加点を許してしまう。
 オフサイドの反則からPKで自陣に入り込まれ、モールから大きく展開される。WTBプルに左隅へ入られた。
 13分過ぎにも反則後のPKで攻め込まれ、ラインアウト後の攻撃でCTBテヴィタ・クリンドラニにトライラインを越えられる。その直後、リスタートのキックオフからいっきに攻め切られて7-40と突き放された(トライはWTBソロモネ・カタ)。

 後半32分過ぎにスクラムから攻め、最後はLOマイケル・ストーバークがトライを決めるなど最後まで戦う姿勢を持ち続けたが、サンウルブズはこれで4連敗。今季通算成績を1勝4敗とした(勝ち点4。ブランビーズは4勝1敗で勝ち点18)。
 ハリケーンズに62点を許した前戦よりは防御のコミュニケーションは密になり、攻撃も粘り強くなったが、ミスで好機を逃し、失点を許すシーンはなかなか減らない。
 ブリスベンでおこなわれることになった3月14日のクルセイダーズ戦も含め、少なくとも3月28日のワラターズ戦(シドニー)まではオーストラリアでの試合が続く(3月20日のレベルズ戦はメルボルン)。選手、スタッフは、タフな日々の中でなんとか結果を残すため、必死に戦い続けるつもりだ。

 爪痕を残すことで、スーパーラグビーでのラストシーズンという現状に変化を起こしたい。多くの選手がそう言っていた開幕前。
 その気持ちに変わりはない。


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