ラグビーリパブリック

大敗の中にもあった若き狼軍の収穫。フィフィタ初トライ、吉田杏デビュー…

2020.02.23

ダブルタックルされるシオサイア・フィフィタ。マークが厳しくなったのは認められた証拠(Photo: Getty Images)


 スーパーラグビーで勝つのは難しい。2月22日にブリスベンで5-64と屈した夜、サンウルブズの大久保直弥ヘッドコーチは「常にベストパフォーマンスを出さなければいけない世界。しかし、今夜は明らかにレッズの方が我々よりも勝ちに対してハングリーだったと思います」と完敗を認めた。それでも前を向く。
「1試合でも多く勝つ姿を見せたいという気持ちが、いま選手たちのモチベーションになっていることは確かです。今後のサンウルブズがチームとしてどういう形で存続できるかは、現場にいる我々がコントロールできることではありませんが、次の日本代表が19年のワールドカップ以上の成績を狙うために、若い選手たちが今ここでどれだけタフな環境で成長しているか、その点については手ごたえを感じています」

 貴重な経験を積んでいるひとりが、天理大学3年生のシオサイア・フィフィタだ。
 開幕節から3試合連続でサンウルブズの背番号14を任され、パワフルな走りで注目を集めるトンガ出身の21歳BKは、レッズ戦では厳しくマークされミスもあったが、後半25分にチーム唯一の得点を記録。それは彼にとってスーパーラグビー初のトライでもあった。
 毎試合トライを獲ることを目標に掲げながら前の2試合では達成できず、「今日こそは獲る」と決めて臨みファーストトライを挙げた。しかし、「正直2トライは獲りたかった」と残念がる。チームが大敗したとあって、「非常にミスが多く、自分たちのラグビーが全くできなかった。真冬の日本から(夏のオーストラリアへ)移動し、厳しい環境の変化はありましたが、今夜の試合は準備日の練習時よりも涼しかったですし、環境の変化は言い訳にはなりません」と素直に反省する。

 レッズ戦では24歳の吉田杏が6番をつけ、スーパーラグビーデビューを果たしたことも収穫だ。「今後の財産になると思います。フィジカルの部分では通用した部分もありましたが、課題として残る部分もありました。そこは修正して次に活かしていきたいです」と言う若きバックロー。ブレイクダウンでの奮闘を継続したいと誓うとともに、自分の強みはボールキャリーと自覚しており、「次戦に向けてはボールタッチをもっと増やしたい」とコメントした。

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