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首位パナソニック強い! クボタはトヨタに悪夢の逆転負けで6位転落、NEC6連敗。

2020.02.22

インゴールに転がったボールをパナソニックの野口竜司(写真左)が押さえる(撮影:早浪章弘)


 ジャパンラグビートップリーグ2020は2月22日に第6節を迎え、東京、愛知、三重、大阪で計7試合がおこなわれた。

 首位のパナソニック ワイルドナイツは東大阪市花園ラグビー場でNTTドコモレッドハリケーンズと対戦し、40-3で制して6連勝。開幕からすべての試合で相手より3本以上多くトライを挙げており、この試合でもボーナスポイント獲得で勝点を30に伸ばした。

 ドコモに先制され、開始から20分間は無得点だったパナソニックだが、前半22分、ラインアウトからモールで押し込み逆転。29分にはSO山沢拓也がゴール前へ切り込み、オフロードパスをもらったPR平野翔平が仲間の後押しを受けフィニッシャーとなった。33分には山沢がタッチキックをミスしたものの、ドコモがクイックで大きく展開しようとしたところ、しっかりチェイスしていたパナソニック12番の松田力也がインターセプト、トライを挙げ点差を広げた。
 パナソニックは21-3で迎えた後半早々、カウンターで駆けあがったWTB竹山晃暉がキックを放ち、インゴールに転がったボールをFB野口竜司が押さえ加点。終盤には竹山が2トライを重ねて突き放し、勝負を決めた。
 敗れたNTTドコモは1勝5敗(勝点4)となった。

 先頭を走るパナソニックと神戸製鋼を追う1敗のヤマハ発動機ジュビロは、先週末に悲願のトップリーグ初勝利を挙げた三菱重工相模原ダイナボアーズと愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で対戦し、69-7と圧倒。
 速さだけでなく強さもあるサモア出身の新戦力WTBマロ・ツイタマが6トライを挙げ、ネマニ・ナドロ(当時 NEC所属)と福岡堅樹(パナソニック)が持つ1試合最多トライ記録に並び、今季早くも計11トライでトライランキングトップに立っている。
 ヤマハ発動機はこれで5勝1敗(勝点24)、三菱重工相模原は1勝5敗(勝点5)となった。

 前節終了時に4位だったクボタスピアーズはパロマ瑞穂ラグビー場でトヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦し、終盤に一旦逆転したものの、土壇場で反則を犯して失点し、18-20で敗れ6位に順位を下げた。トヨタは先週サントリーに大敗し今季3敗目を喫していたが、ホームで意地を見せ優勝争いに望みをつないだ。

 前半20分にクボタが攻め込みゴールラインを越え、先制したかと思われたが、負傷者治療のためフィールド内に入っていたメディカルスタッフにより、トヨタSOライオネル・クロニエのタックル機会が失われたと戸田京介レフリーが判断し、トライは認められなかった。クボタスクラムで再開後、トヨタは耐え、0-0で迎えた前半33分、日本代表でもあるキャプテンのFL姫野和樹がパワフルな走りでディフェンスを破ってゴールに持ち込み、最初のスコアを決めた。
 7-3とリードして折り返したトヨタは後半早々、ゴール前でアドバンテージを得ると、FBウィリー・ルルーがキックでインゴールにボールを転がし、CTBクリントン・スワートが押さえて追加点。
 追うクボタは53分(後半13分)、右へのワイド展開をWTB近藤英人がフィニッシュし、5点を奪い返した。その後、互いにPGを決め、17-11で迎えた78分、6点を追うクボタは、敵陣深くのスクラムで押し込んでアドバンテージを得、攻め続けてWTBタウモハパイ ホネティがトライ。SOバーナード・フォーリーがコンバージョンを決め逆転した。
 しかし、残り10秒でトヨタのPR吉田康平が敵陣22メートルライン手前のブレイクダウンで絡んでクボタの反則を引き出し、PGチャンスを得る。ホーンが鳴ったあと、プレッシャーがかかるなかSOクロニエがショットを決め、劇的なノーサイドとなった
 トヨタ自動車はこれで3勝3敗(勝点15)、クボタは4勝2敗(勝点19)となった。

日野戦でトライを決めるサントリーのマット・ギタウ(撮影:松本かおり)

 クボタを抜いて暫定4位に浮上したのはサントリーサンゴリアスだ。2季ぶりの王座奪還へ向け、すでに2敗を喫しながらも上位に食らいつきたいサントリーは、秩父宮ラグビー場で日野レッドドルフィンズを69-14と圧倒し、4勝2敗(勝点21)となった。
 前半、2016年度のリーグ戦MVP&トライ王であるWTB中鶴隆彰がハットトリックを達成するなど47-7と大差をつけ主導権を握ったサントリー。後半は元オーストラリア代表のCTBマット・ギタウなども躍動し、ボーナスポイントを獲得している。
 日野は4連敗で1勝5敗(勝点4)となった。

地元の鈴鹿で奮闘したHonda(黒)だったがNTTコムが逆転勝ち(撮影:阿部典子)

 前節終了時に7位だったNTTコミュニケーションズシャイニングアークスは、三重交通Gスポーツの杜鈴鹿でHonda HEATと対戦、14-13で逆転勝ちし、4勝2敗(勝点19)となって得失点差でクボタを上回り、暫定5位に浮上した。
 13点ビハインドで折り返したNTTコムだったが、後半にCTB池田悠希とHOマルコム・マークスがトライを挙げ、SOクリスチャン・リアリーファノが2本ともコンバージョンを決めて逆転。73分(後半33分)にFLヴィリー・ブリッツが危険なプレーで一発退場となり人数的に苦しくなったものの、14人で1点差を守り切った。
 逆転負けのHondaは2勝4敗(勝点11)となった。

キヤノンのマイケル・ボンドを止めようとするサニックスのジェイソン・エメリーと屋宜ベンジャミンレイ
(撮影:早浪章弘)

 花園の第1試合ではキヤノンイーグルス×宗像サニックスブルース戦がおこなわれ、キヤノンが22-10で制している。
 序盤、ロストボールから相手に先制を許したキヤノンだが、前半5分、SO田村優がランでチャンスメイクしてFBマイケル・ボンドのトライを演出し、流れを変えた。12分にはゴール前PKからの速攻でWTBホセア・サウマキが逆転トライを挙げると、ハーフタイム前には強力なFWパックがスクラムでペナルティトライを獲得した。
 後半はスコアボードは動かず、キヤノンは星を五分に戻して3勝3敗(勝点13)、宗像サニックスは3連敗で2勝4敗(勝点10)となった。

NECは懸命に食らいつくも連敗脱出ならず(撮影:松本かおり)

 そして、全16チーム中、唯一白星なしのNECグリーンロケッツは秩父宮ラグビー場でリコーブラックラムズに挑んだが、12-26で屈し、開幕から6連敗となった。
 強い風が吹いたゲーム。序盤、風下のNECは20フェイズ以上重ねるなどがまん強く攻めたが、先制できなかった。
 前半13分、リコーがスクラムからのアタックでWTBキーガン・ファリアが5点を入れると、29分には風の影響もあったかNECが自陣深くでパスを乱し、ボールを手にした黒衣13番の礒田凌平がトライを挙げた。
 リコーは後半早々にも加点し、リードを拡大。
 19点を追うNECは61分(後半21分)にゴールに迫り、SH中嶋大希が間隙を突いてようやくスコアボードを動かし、65分にはベテランFB吉廣広征が連続攻撃をフィニッシュし、7点差に詰めた。
 しかしリコーは70分、FWでゴールに迫り、最後はルーキーのFLタラウ・ファカタヴァが抜けてトップリーグ初トライ。
 リコーはディフェンスもしぶとく、NECを下して連敗を3で止め、2勝4敗(勝点8)となった。

 23日には兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で神戸製鋼コベルコスティーラーズ×東芝ブレイブルーパス戦がおこなわれる。

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