ラグビーリパブリック

パナソニックと神戸製鋼が全勝キープ! 東芝は今季初黒星、ヤマハ3位に浮上。

2020.02.15

パナソニックのルーキー、竹山晃暉。東芝戦でもトライを決めるなど活躍した(撮影:高塩 隆)


 ラグビーの国内最高峰であるトップリーグは、1週間のブレイクをはさんで2月15日に第5節の6試合がおこなわれ、注目の全勝対決、パナソニック ワイルドナイツ×東芝ブレイブルーパスは、46-27でパナソニックが制した。
 連覇を狙う神戸製鋼コベルコスティーラーズもリコーブラックラムズを相手に43-6と快勝し、全勝をキープしている。
 そのほか、ヤマハ発動機ジュビロ、サントリーサンゴリアス、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス、Honda HEATが勝って総勝点を伸ばした。

 埼玉・熊谷ラグビー場に2万2705人の観客が集まったパナソニック×東芝戦。
 前半は取られたら取り返すシーソーゲームとなり、互いに2トライずつ奪って15-14で迎えた32分、パナソニックはCTBダミアン・デアリエンディのムーブにリンクしたCTBディラン・ライリーが敵陣10メートルライン付近から抜けて走り切り、リードを広げた。

 追う東芝は、イエローカードを提示され数的不利な時間帯もあったが大崩れせず、ハーフタイム前にPGで5点差に詰めて折り返すと、46分(後半6分)にラインアウトからモールで押し込み同点。50分にはSOジャック・ストラトンがCTBジョニー・ファアウリとのサインプレーからチャンスメイクし、WTBジョネ・ナイカブラがトライを決め勝ち越した。

 しかしパナソニックは56分、フレッシュレッグのFLデービッド・ポーコックが力強い前進でゴールに迫り、クイックリサイクルから途中出場のSO山沢拓也がトライを挙げ、コンバージョンも成功で再びリードを奪った。68分にはFB野口竜司の軽快な動きでゴールに迫り、連続攻撃をWTB竹山晃暉が左隅にフィニッシュ。72分にはSH小山大輝がラックサイドのギャップを抜けてゴールへ走り切り、勝利を引き寄せると、試合終了間際にも小山がトライを決め、パナソニックはボーナスポイント(相手より3本以上多くトライすれば勝点1を追加)も獲得した。

 パナソニックは5勝0敗(勝点25)で首位をキープ。東芝は4勝1敗(勝点18)となり4位に順位を下げた。

 地元の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で試合をおこなった神戸製鋼は、堅守でリコーにトライを許さず、自分たちは7トライを重ねて大勝となった。
 神戸製鋼はこの試合、エースのダン・カーターが欠場だったが、故障の膝が回復したヘイデン・パーカーが今季リーグ戦初出場。ポストを狙う左足のゴールデンブーツは本調子ではなかったが、正確なキックパスでトライを演出するなど勝利に貢献した。
 さらに、日本代表候補となりながら、そけい部(太ももの付け根付近)の負傷で昨年のワールドカップ出場を逃していたLOグラント・ハッティングも先発で公式戦復帰を果たし、自らもトライを挙げるなど元気な姿を披露した。
 神戸製鋼は5勝0敗(勝点23)で2位、リコーは1勝4敗(勝点4)となった。

ヤマハのキッカーである五郎丸はドコモ戦で22得点(撮影:早浪章弘)

 3位に浮上したのはヤマハ発動機だ。大阪・ヤンマースタジアム長居でNTTドコモレッドハリケーンズと対戦し、82-7と圧倒した。WTBのマロ・ツイタマとジェイデン・ナーマヌがそろってハットトリックを達成するなど、計12トライを挙げている。
 NTTドコモは、ワールドカップ後に股関節の手術を受けていた日本代表のヴィンピー・ファンデルヴァルトが復活し、背番号6をつけて今季リーグ初出場となったが、連敗を止めることはできなかった。
 ヤマハ発動機は4勝1敗(勝点19)、NTTドコモは1勝4敗(勝点4)となった。

サントリーのギタウ(12番)らがトヨタのクロニエにプレッシャーをかける(撮影:早浪章弘)

 大会序盤で2敗を喫し、王座奪還へ向けてこれ以上負けられないサントリーは、同じく2敗のトヨタ自動車ヴェルブリッツとヤンマースタジアム長居で対戦し、60-14で白星先行となった。
 前半9分にWTB江見翔太が右外を駆け上がり先制したサントリー。19分にはCTBマット・ギタウがゴール前へ切り込んでオフロードでCTBサム・ケレビにつなぎ得点、26分にはFB松島幸太朗が自陣10メートルラインから抜け、軽快なフットワークでゴールへ走り切り会場を沸かせた。
 39分にはWTBテビタ・リーもトライゲッターとなって29-0で折り返したサントリーは、後半も途中出場CTB梶村祐介などが躍動して計8トライを獲得。60-0と大差をつけたサントリーに対し、トヨタ自動車は勝負がほぼ決まった終盤に2トライを返すのが精いっぱいだった。
 サントリーは3勝2敗(勝点16)、トヨタ自動車は2勝3敗(勝点11)となった。

サニックス戦で躍動したNTTコムの石井魁(撮影:矢野寿明)

 NTTコミュニケーションズは東京・江東区夢の島競技場で宗像サニックスブルースと対戦し、74-11で大勝した。
 サニックスに先制され8点を追う展開となったNTTコムだが、前半18分に主将のFL金正奎がトライを挙げて流れを変え、21分にはワールドカップ優勝を遂げた南アフリカ代表HOでもあるマルコム・マークスもフィニッシャーとなり逆転した。その後も連続トライで勢いがついたNTTコムは、日本代表でもあるNO8アマナキ・レレイ・マフィがハットトリックを達成するなどして点差を広げ、後半無失点で快勝となった。
 NTTコムは3勝2敗(勝点15)、宗像サニックスは2勝3敗(勝点10)となった。

パワフルな走りを披露したHondaのトマシ ソンゲタ(撮影:高塩隆)

 Honda(ホンダ)は熊谷ラグビー場でキヤノンイーグルスと対戦し、39-24で勝利。連敗を3で止めている。
 ホンダは立ち上がりがよく、前半3分、キックのバウンドボール争奪に競り勝ったWTB尾又寛汰がそのままゴールへ駆け抜け先制。22分にはNO8トマシ ソンゲタがキックチャージからゴールへ力走し、28分にはCTBショーン・トレビーがインターセプトからトライを決めるなど、21-3とリードして主導権を握った。
 追うキヤノンは、46分(後半6分)にCTBジェシー・クリエルのブレイクスルーからWTBマイケル・ボンドのトライが生まれ、52分にはFBホセア・サウマキもフィニッシャーとなり、SO田村優がブーツで加点し7点差とした。
 が、ホンダは60分、相手がディフェンスで詰めてきたところをCTBクリントン・ノックスがかわして抜け、FLポール・スクーマンのトライを演出。75分にはLOミロ デビッドの力走などで作ったチャンスをCTB渡邉弐貴がフィニッシュし、キヤノンを突き放した。
 これで両チームとも2勝3敗。ホンダは勝点10となり、キヤノンは勝点9から伸ばすことはできなかった。

 16日には、クボタスピアーズ×日野レッドドルフィンズ(東京・江東区夢の島競技場)、三菱重工相模原ダイナボアーズ×NECグリーンロケッツ(神奈川・相模原ギオンスタジアム)の2試合がおこなわれる。