トップリーグは1週のバイ・ウイーク(休止期間)を経て、週末に第5節8試合が行われる。リーグ再開となる15日は全国4会場で6試合を開催。注目カードはパナソニックワイルドナイツ—東芝ブレイブルーパス[2月15日(土)14:00 熊谷ラグビー場]の全勝対決だ。
序盤戦4節を終えて、全勝はパナソニック、東芝に神戸製鋼コベルコスティーラーズを加えたわずか3チームのみ。直接対決となる両チームともに、首位戦線からの1歩後退は許されない。ファンにとっては先発出場が決まった東芝のNO8リーチ マイケル、パナソニックPR稲垣啓太、HO堀江翔太、SO松田力也の日本代表勢の激突も目が離せない。
ワールドカップを共に戦った盟友との真剣勝負を、リーチは「対戦するのは、もちろん楽しいですね。サントリー戦、ホンダ戦も(代表勢と)やり合えてよかったし、パナソニックにはホワイトロック(ニュージーランド代表LO)もいるし、デアリエンディ(南アフリカ代表CTB)もいる。本当に楽しい試合になると思います」と、ワールドカップで唯一破れた南アフリカ代表CTBへのリベンジも心待ちにする。
同じ会場で行われる第1試合でも、キヤノンイーグルスSO田村優、ホンダヒートPR具智元らがスタメン入りと代表戦士がめじろ押しだ。
TLでのパナソニック戦は2014年シーズンの勝利から勝ち星がない東芝は、今季のスタッツでもトライ数、総得点など多くの数値で対戦相手を追う位置に立つ。最強の相手に挑むリーチは「パナソニックは本当に強いチーム。でも、東芝も昨シーズンまでと比べて強くなってきている。厳しい戦いになるが、優勝するために東芝の強さを見せていきたい」と前向きだ。堅い防御からボールを奪って一気にインゴールを狙うパナソニックに対して、東芝はコンタクトエリアで重圧をかけたいところだ。
2018年シーズンまで3季連続で4強入りを逃してきた東芝だが、今季は開幕戦で優勝候補の一角サントリーを倒して勢いに乗った。開幕4連勝という最高のスタートに、リーチは「チームのカルチャーが作られてきた。選手もポジティブだし、とにかくすべてのメンバーが試合で頑張っている」と進化を感じ取る。
今季就任した元オールブラックス主将、トッド・ブラッカダー・ヘッドコーチ(HC)のチーム作りについても「フィジカル強化だけじゃなく、スマートなアタックもできるようになってきたし、ボールを大きく動かすこともできてきた。後半の追い上げでも強さを見せられる」と、その手腕へ揺るぎない信頼を寄せる。リーチの故郷でもあるクライストチャーチをベースとするクルセイダーズをスーパーラグビー最強チームに鍛えたのが、現在パナソニックを率いるロビー・ディーンズ監督だ。ブラッカダーHCも師と仰ぐ名将との、母国ニュージーランドでも実現しなかった直接対決も注目だ。(吉田 宏)