2016年の発足以来、日本をベースにした多国籍軍として国際リーグのスーパーラグビーを沸かせてきたサンウルブズ。通算5シーズン目の今季も、多くの新顔を迎え入れてその特徴を貫く。
「機会が訪れた。ここには多くのセカンドチャンスプレーヤーがいる。自分たちがファーストクラスプレーヤーであることを世界に示すために皆で取り組めている」
こう語るのは、今季加わったタウタラタシ・タシ。
サモアの血を引きニュージーランドのオークランドで生まれ、オーストラリアで育ってきた25歳だ。
学生時代は13人制のラグビーリーグに親しみ、15人制に移るとスーパーラグビーのワラターズ、レベルズに在籍してきた。身長179センチ、体重96キロのランナーは、強靭な身体を攻守に活かす。
今年2月1日には、新天地のWTBとして今季開幕戦に先発。自らトライも決め、レベルズを36-27で下した(福岡・レベルファイブスタジアム)。続く15日には、東京・秩父宮ラグビー場でチーフスとぶつかる。
キーワードは「ワンジョブワンロール」。防御組織を保つべく、個々がそれぞれの仕事をし続ける。
「(レベルズ戦では)いい準備が結果につながった。今週末も同じことをします。攻撃力のあるチームが相手。ディフェンスの修正は今週のメインフォーカスがひとつになっているので、意識したいです。メインプレーヤーをシャットダウンする。相手が蹴ってくるのに対し、(最後尾の)FBとコミュニケーションを取りながらバックフィールドのカバーをしていく」
新しい仲間とも親睦を深める。ニュージーランドへ留学経験のあるSHの木村貴大には、体脂肪等を示す数値がチーム内で定められた最低ラインを上回りがちなこと、首脳陣の目を盗んでドーナツを食べようとしていることなどを動画付きでツイッターに公開された。
この旨を記者団に問われると「怒っておきました。まぁ、いつものキミーです」と苦笑し、すぐに木村へこう言ったようだ。
「俺がドーナツを食べている話、めちゃくちゃ聞かれたぞ」