ついに9番をつける。
2018年に当時の学生で唯一の日本代表候補となった齋藤直人は現在、国際リーグのスーパーラグビーに参戦中。日本のサンウルブズの一員として、2月1日の開幕節に後半19分から出た。そしてバイウィークを挟んで迎える15日の第3節では、初先発を飾る。
「試合に出させてもらうのは嬉しいですけど、満足するような内容でもないですし、(そもそも)絶対、満足しないんですけど…まだまだ高みを目指して頑張りたいです」
齋藤がこう語ったのは、福岡・レベルファイブスタジアムでレベルズを36-27で下した直後のことだ。
この日はスクラムでフリーキックを勝ち取るや速攻からバックスペースへのキックを繰り出したり、自陣深い位置に駆け戻ってのタックルを連発したりと存在感を発揮。しかし当の本人は、謙虚な姿勢を崩さない。
「(好守については)タックルにいってはいたけど外されていたので、取り返そうと思ってスタートで出ているメンバーが疲れているのは間近でわかったので、リザーブで勢いづける…と。緊張はしましたけど、やっていくうちに、楽しかったです」
グラウンドに立った際の心境を聞かれれば、「後半10分過ぎに出ると言われていたのですが、ちょっと遅くなった。いつ(出番が)来るのかなと思っていたんですが、ルディー(・ペイジ/先発したSH)が足をけがして『来るなぁ』と心の準備ができていたので、少し楽に入れました」。ジュニア・ジャパン、ジャパンAの活動を通し、すでに外国人選手とのバトルには慣れている。あとはこのチームで、信頼を勝ち取るだけだ。日々、研鑽を積む。
「アタックであればサインの共有が大事。ディフェンスでは外に立つので、どうディフェスが必要かのコミュニケーションを取っていきたいです。グラウンド内でも多くの学びがありますけど、グラウンド外での練習に向かうまでの準備、終わってからのケアが大学生レベルとは違うと感じます」
2019年度は早大の主将として大学日本一に輝いた齋藤。卒業旅行へも行かずに国際舞台へ挑戦している。初の日本代表入りへ、スーパーラグビーのゲームを「経験」ではなく「アピール(の場)」と捉えている。
東京・秩父宮ラグビー場でチーフスとぶつかる今度のゲームでも、同じ態度を貫く。