北米最高峰プロリーグであるメジャーリーグラグビー(MLR)の2020シーズンが、現地時間2月8日にキックオフとなった。
発足から3季目となる今年は3チームが新たに加わり、計12チームで5月末までレギュラーシーズンがおこなわれる(プレーオフは6月に開催される予定)。
昨年はシーズン終盤にNECグリーンロケッツのPR瀧澤直がオースティン・エリート(現 オースティン・ギルグロニス)に加入し、日本人初のMLRプレーヤーとなって3試合に出場したが、今年は日本代表78キャップを誇るPR畠山健介がボストンを拠点とするニューイングランド・フリージャックスに入団。34歳でアメリカに渡り挑戦を続ける畠山は、現地時間9日にラスベガスのサム・ボイド・スタジアムでおこなわれた開幕節のラグビーユナイテッド・ニューヨーク戦に背番号3をつけて先発し、34-14の勝利に貢献した。
アメリカ、カナダはラグビー界にとって成長が期待される大きなマーケットであり、畠山以外にも、MLRには多くのインターナショナルプレーヤーが参加するようになった。
最もホットなビッグネームは、昨年のワールドカップで優勝を成し遂げた南アフリカの英雄、テンダイ・ムタワリラで、南ア代表“スプリングボックス”で117キャップを重ねた怪力プロップはワシントンを拠点とするオールド・グローリーDCに加入した。スプリングボックスからは退くことを表明した34歳のムタワリラだが、アメリカで輝き続けることだろう。
サンディエゴ・リージョンにはニュージーランド代表“オールブラックス”の中心選手として2011年と2015年のワールドカップ連覇を遂げたレジェンドCTB、マア・ノヌーが入団している。
元フランス代表のCTBマチュー・バスタローはラグビーユナイテッド・ニューヨークとサインし、畠山などを擁するニューイングランド戦で13番をつけてデビューを果たした。
瀧澤がいたオースティンには、オーストラリア代表121キャップの万能BKアダム・アシュリークーパーや、元ニュージーランド代表のWTBフランク・ハライ、トンガ代表の司令塔であるSOカート・モラスなどが新加入している。
シアトル・シーウルブズは、アルゼンチン代表として昨年のワールドカップでも奮闘した経験豊富なバックロー、フアン=マヌエル・レギサモンを獲得。
コロラド・ラプターズには、元オーストラリア代表のCTB/WTBディグビー・イオアネがパナソニック ワイルドナイツから移籍し、サンウルブズや日野レッドドルフィンズでもプレーした元ニュージーランド代表CTB/WTBレネ・レンジャーも加入している。
ヒューストン・セイバーキャッツには、7人制フィジー代表の主将として2016年のリオ五輪で金メダルを獲得したWTB/FBオセア・コリニサウなどがいる。
また、MLRは北米だけでなく中南米の選手にとっても憧れの舞台であり、アルゼンチンやウルグアイ、ブラジル、チリ、コロンビア、ジャマイカなどの選手もMLRのチームと契約を結び、プロラグビー選手として希望に満ちている。