国際リーグのスーパーラグビーに日本から参加しているサンウルブズが、挑戦ラストイヤーとなる2020年大会の開幕戦で金星を挙げた。
2月1日、福岡・レベルファイブスタジアムでオーストラリア代表選手を多数擁するレベルズと対戦し、36-27で勝利。2016年からスーパーラグビーに参加しているサンウルブズが開幕戦で白星発進したのは初めてである。
今年のスーパーラグビーは日本国内最高峰のトップリーグと開催時期が重なっているため、昨年のワールドカップで日本中を熱狂させた日本代表選手はひとりもいない。それでも、多国籍から集まった新生サンウルブズは、過去に戦った勇ましい狼たちのスピリッツを継承していた。
大久保直弥ヘッドコーチが「我々にとってのテストマッチ」と称して臨んだ開幕戦。
試合開始早々、自陣深くでピンチを迎えたサンウルブズだったが、FL布巻峻介らがブレイクダウンで絡み、ターンオーバーでピンチを脱出した。
すると前半9分、サンウルブズはWTBシオサイア・フィフィタの突破で敵陣深くに入り、たたみかけ、連続攻撃を共同主将のひとりであるCTB森谷圭介がフィニッシュし、先制した。
その後、レベルズにPGで3点を返されたが、19分、敵陣深くのラインアウトからモールでインゴールへ押し込み、HOジャバ・ブレグバゼのグラウンディングが認められた。SOガース・エイプリルがコンバージョンを決め、貴重な2点を追加。
しかし22分、サンウルブズはスクラムで押され反則を犯してしまい、ラインアウトに移ったレベルズにモールでトライを奪われた。
それでも、サンウルブズは崩れなかった。26分、またもWTBフィフィタのパワフル突進で敵陣22メートルラインに迫り、すばやく展開、CTB森谷から長いパスをもらったWTBタウタラタシ・タシがインゴール左隅に飛び込み、トライ。コンバージョンも決まり19-8となった。
31分にレベルズにトライを奪い返されたサンウルブズだったが、36分、この日ゴールキック好調だったSOエイプリルがPGで3点を追加。そして、ハーフタイム前のレベルズの猛攻をしのぎ、22-13で折り返した。
観客の声援も後押しとなり、サンウルブズは押せ押せムード。後半開始早々、相手のチップキックしたボールを確保したFBジェームス・ダーガヴィルがカウンターで左タッチライン際を50メートル以上駆け上がり、さらに勢いがついた。
レベルズは焦り始めたか、反則とミスを多発する。
サンウルブズは苦しい局面もあったが、FL布巻がまたもブレイクダウンで激しくファイトするなどし、チームは活気づいた。
そして60分、サンウルブズは相手にプレッシャーをかけてゴール前スクラムのチャンスを得ると、パックからボールが出て、途中出場SH齋藤直人からボールをもらったSOエイプリルが防御網を切り裂きトライ、スタジアムが沸いた。
その後、レベルズに2トライを奪い返されたが、サンウルブズは懸命のディフェンスでリードを守り、歓喜のノーサイドとなった。