ラグビーリパブリック

あさって日曜は、フミ&優がパナソニックにチャレンジ [TL4節]

2020.01.31

キヤノンのフミ(田中)は古巣のパナソニックに挑む。右はSOの田村優。日本代表のハーフ団コンビだ(撮影:松本かおり)

 第4節第2日のおすすめの一戦はパナソニックワイルドナイツvsキヤノンイーグルス[2月2日(日)13:00 東京・町田GIONスタジアム]だ。

 キヤノンで先発出場する日本代表SH田中史朗にとっては、昨季まで12シーズンにわたり中心選手としてプレーしてきた古巣との初めての対戦。トップリーグでも負けん気の強さなら誰にも負けない田中にとっては、絶対に負けられない相手だ。昨秋のワールドカップでも代表戦士を鼓舞し続けたハードタックルと、トライチャンスを逃さない判断力抜群のパスワークは、開幕3連勝で首位に立つパナソニックにとっても厄介な存在だ。

 田中にとって新天地のキヤノンだが、HB団を組むのは日本代表でも長らくコンビを組んできたSO田村優。キヤノンでも開幕戦から先発でコンビを組み続けるあうんの呼吸で、パナソニックの開幕4連勝阻止を狙う。

 パスを受ける側の田村にとっても、自分がパスを欲しいタイミングを最も理解する〝相棒〟の加入は最高の援軍。持ち前のアグレッシブなゲームメークを加速させて、最強の相手に挑む。

 チームは、開幕戦で王者・神戸製鋼コベルコスティーラーズに16—50と苦杯を味わわされたが、その後は三菱重工相模原ダイナボアーズ、NECグリーンロケッツを退けて2勝1敗、勝ち点9の6位につける。上位争いに食い込むためには、ホームのGIONスタジアムでパナソニックからの金星がほしいところだ。

 その田中−田村コンビに胸を貸すパナソニックは、昨季まで以上にメンバーを充実させている。

 キヤノン戦にはPR稲垣啓太、HO坂手淳史、SO松田力也と3人の日本代表ワールドカップメンバーが先発。松田にとっては、代表では時には宿舎の同部屋でアドバイスを受け、時にはその高い判断力に基づいたプレーを盗んできた田村との一騎打ちになる。天性の閃きによる、キックパスも織り交ぜたラインアタックが武器の田村と、自らのランも駆使して攻撃を組み立てる松田のマッチアップ。4年後のワールドカップ・フランス大会へ向けた、日本代表の10番争いが町田で繰り広げられる。

 快進撃を続けるパナソニックの強みは、日本代表勢も霞むほどの海外代表勢の充実ぶりだ。LOではオールブラックスで117キャップを誇るサム・ホワイトロック、CTBには南アフリカのワールドカップ優勝メンバーだったダミアン・デアリエンディが先発リスト入り。それぞれがパワフルなボールキャリーで、攻撃の起点にもフィニッシャーにもなれるスーパープレーヤーだ。

 ワールドカップメンバー以外でも、接点の激しさが武器のベン・ガンター、188㎝、100㎏のサイズながら50mを6秒前半で走る快速が魅力の長谷川峻太の両FL、ポスト福岡堅樹と期待される快速WTB竹山晃暉、ステップとボディーバランスを駆使した瞬時のコースチェンジで相手を突破するFB野口竜司ら、4年後のワールドカップへ期待のタレントが先発メンバーに陣取る。この才気あふれる選手が、毎試合メンバー入りをかけて激しいポジション争いを展開するのがパナソニックの強み。対戦相手だけではなく、チーム内のサバイバルをかけたポジション争いも注目だ。(吉田 宏)