1月28日、フランスリーグ・トップ14のASMクレルモン・ オーヴェルニュ入りを発表した松島幸太朗。日本代表として昨年のワールドカップ日本大会で5トライをマークし、株価を上げていた。
現在は、サントリーのFBとして国内トップリーグでプレーする。
「どうせ圧力が僕に来るだろう。周りの選手を活かすことを意識してやりました」
左中間、右中間のスペースで球をもらって持ち前のフットワークを披露しながら、両タッチライン際のランナーへのお膳立てを強く意識する。12日の開幕節(●19―26/対 東芝/東京・秩父宮ラグビー場)では、タックラーに迫られながら自分の股下を通すパスでトライを演出した。
26日、兵庫・ノエビアスタジアム神戸。昨季のレーオフ決勝で屈した神戸製鋼から29-35で今季2敗目を喫した。
ボールの保持時間を増やす作戦が奏功して先制トライなどを奪ったが、ミスボールを拾われての失点などに泣いた。
もっとも、ニュージーランド代表112キャップのSO、ダン・カーターらの攻めに組織的に対抗。「ディフェンス自体はよくなってきている」と手ごたえを語る。
「神戸の戦術とサントリーの戦術は似たところがあって差はほとんどないんですけど、『ミスをした後にどこを攻めるか…』というところ(判断)で神戸製鋼が一枚上手だったなと。(サントリーは)やりたいことはしっかりできたところはありましたけど、回し過ぎたところもあった。キックを蹴るタイミング、走るタイミングはもっとうまくできるところがある。選手同士のコネクションが今後の課題になってくるかなと。シーズンが深まるなかでもっといいチームになる雰囲気がある。成長を止めないようにしたいです」
後ろは振り返らない。その気質がにじんだのは、前半15分頃のワンプレーについて話した時だ。
ここでは松島がラストパスを送ったWTBのテビタ・リーがインゴールノックオン。無事フィニッシュしていれば7-3から12-3とリードを広げていただけに、スタンドからはため息が漏れた。
試合後の取材エリアでも、松島は記者団からこの件について聞かれた。
「あそこでとっていればチームとしての自信がついたと思う。1週間やってきた戦略の部分(の成果で生まれたチャンス)だったので」
正直に答えたうえで、最後はこうまとめる。
「…ただそれはまぁ、(チーム内で)話した部分。もう、大丈夫です」