トップリーグは、国連が多様性と包括性のある社会の実現を目指し、「誰ひとり取り残さない」と17の国際目標を定めたSDGs(Sustainable Development Goals=エス・ディー・ジーズ)を推し進めている。
関西で初のSDGsは2月2日(日)に実施される。神戸製鋼×NTTドコモの「阪神ダービー」に視覚障碍者と介助者10人ずつの計20人が招待された。試合は神戸・ユニバー記念競技場で午後1時にキックオフされる。
その中心は大阪でテレビとラジオを持つ朝日放送。両チーム、主管の兵庫県ラグビー協会なども協力する。
内容は、朝日放送の伊藤史隆(のぶたか)アナウンサーが参加者のために実況を行い、試合終了後には両チームの選手たちとの交流も予定されている。
伊藤アナは参加理由を話す。
「弊社もSDGsを標榜しており、なにかできることはないかと考えた末に、今回の企画に行きつきました」
愛称「シリュー」で知られる伊藤アナはこの4月でアナウンサー歴36年目に入る。ラグビーはもちろん野球やゴルフなども含め、関西でのスポーツ実況ではトップ。京産大の大西健前監督との親交も深い。
この企画をチームや協会との交渉など実務面で支える朝日放送ラジオ編成部の佐藤将太さんは成功を思い描く。
「スタジアムで体のぶつかる音や風が回る空気感を味わってもらえ、そこにシリューさんの実況が乗ります」
佐藤さんは関西学院大の元プロップ。2008年には最上級生として51年ぶりの関西リーグ制覇を経験している。
ラジオなどでこの企画の告知をした結果、応募者は80人超。今回は初回ということもあり、抽選で10人に絞った。名古屋からの参加者もいる。注目度は高い。
当日の模様は、朝日放送ラジオの『伊藤史隆のラジオノオト』(毎週火曜〜金曜、午後6時〜9時)で後日、オンエアされる。
トップリーグでのSDGsは2回目だ。初回は1月18日、東京・秩父宮ラグビー場でNTTコミュニケーションズの選手たちが、「がんを治せる病気に」と募金活動を行った。
この取り組みは、昨年のワールドカップで認知度が急上昇したラグビーの価値を社会的に高める目的もある。