日本の国内新リーグに関するメディアブリーフィングが1月28日、日本ラグビー協会で行われた。会見では新リーグの参入要件(条件)の骨子が示され、日本ラグビー協会副会長・清宮克幸氏、岩渕健輔専務理事、谷口真由美理事、太田治トップリーグチェアマンが参席した。
ブリーフィングでは、「新リーグ法人準備室室長」として谷口真由美理事が主となって説明を行なった。岩渕専務理事がメディアから問われたのは「現行のトップリーグと、新リーグ、目指すところは同じに見えるが、違いは何か」という点。
専務理事が示したのは事業性、そして現在のトップチャレンジチームを含めて、新チームにも門戸を開くことだった。
「トップリーグとトップチャレンジのチームの皆さんにも説明をしたのは、2015年以降のトップリーグの状況でした。2015年のワールドカップ後にトップリーグの観客数は増えました。しかし翌年からは右肩上がりにはなっていない。今、2019年大会後の観客は、3節終了時点で前年の倍近くに上がっています。が、その後は極めて厳しい環境になるというのが、日本ラグビー協会の見方です」
ラグビー協会は、2019年大会中に、30年以内にワールドカップ再招致を目指すことを宣言している。
「再招致、そのためには代表チームの強化が必要です」と岩渕専務理事。
「そのためにも、国内リーグのレベルを上げることが必須。レベルが高まるようなリーグに変えていく必要があります。もう一つは事業性。私が専務理事就任時にもお伝えしたのですが、私は今の仕事を、サービス業として考えています。国内リーグは日本ラグビーが持っている大きなコンテンツの一つ。それを、新法人を立ち上げて、日本協会ではできないようなスピードで変えていくこと」
現行のトップリーグもすでに法人は立ち上げ済みだが、トップリーグと新リーグの違いについては、上記の狙いから三つを挙げた。
「違いは、リーグと同様にチームにも事業性を持っていただくこと。チーム編成にあたっては新規参入を受け入れること。そして、フォーマットの変更を伴う可能性があること」
谷口真由美・準備室長が強調したのは覚悟だ。谷口氏によれば、新リーグとチームを支える収入の第一は入場料収入だ。リーグがチームにも求める事業性、その中核はチケットセールスだ。リーグと同様に、チームが資金を自ら獲得する仕組み。これは、プロスポーツではベースを成す事柄だ。
新リーグが参加チームに求める条件で、多くのチームにとって最も難しいのは、ホームスタジアムの確保だ。その基準となる規模は15000人。この数字は新リーグが目指す1試合平均観客数でもある。各チームは15000人スタジアムを用意することで、新リーグのチームたる覚悟を示すことを求められている。
会見前に行われたトップリーグなど各チーム代表者会議に出席したチーム関係者は、「事業機能を持つことや、地域への活動などはこれまでもチームで進めてきた部分。だが、スタジアム整備には時間がかかりそう。行政との関係がある。ホームエリアの選定とも関係してくる」と言う。
チームが集中する東京地区だけを見ても、ホームエリアの選定、地域名を名乗るチーム名、スタジアムの調整には相応の時間がかかる。新リーグ側は2023年シーズンまでのスタジアム確保を目指している。新リーグへの参入チームの意思表示は今年3月だ。