ラグビーリパブリック

神戸製鋼が往年のライバル・ワールドのスーツを採用。

2020.01.12

チームスーツに往年のライバル・ワールドの製品採用を決めた神戸製鋼ラグビー部の福本正幸チームディレクター(左)。右は当時のワールドの選手で社業を続ける東田哲也さん



 トップリーグ連覇を目指す神戸製鋼ラグビー部は1月10日、公的な場や移動で選手やスタッフが着用するチームスーツについて、往年の神戸のライバルだったワールドの製品を採用すると発表した。

 同社が展開するメンズ・ブランドの「UNBUILT TAKEO KIKUCHI」(アンビルト タケオキクチ)をラグビー選手用にカスタマイズする。本来このブランドはセミオーダーだが、今回は体形が千差万別の選手たちのために特別にフルオーダーになった。

 スーツの色はグレーで荒い格子が織り込まれている。ネクタイは神戸製鋼のチームカラーでもある赤だ。

 神戸製鋼とワールドはともに関西Aリーグ、それを発展解消させたトップリーグでしのぎを削った。それぞれのグラウンド、神戸製鋼の灘浜とワールドの六甲アイランドは直線距離で2キロ程度しか離れていなかった。

 1984年創部のワールドは、10年後の1994年に神戸製鋼の連勝記録を71で止める。1999年度の第52回全国社会人大会(トップリーグの前身)では決勝でこの両チームが激突。35−26で神戸製鋼が勝利した。ワールドは準優勝に甘んじたが、全国レベルの強豪に成長したことをアピールした。

 しかし、「カンパニーチームとして一定のつとめを果たした」と2009年に休部。チームは地元のクラブチーム「六甲クラブ」に合流。現在も現役を続けている選手もいる。

 神戸製鋼の現場トップ、福本正幸チームディレクターは記者会見で笑顔。
「昔のライバルと一緒にトップリーグを戦えることをうれしく思う」
 福本チームディレクターは1990年入社。ワールドが強かった時代を知るひとりだ。

 くしくもこの2020年は6000人を超える人々が亡くなった阪神淡路大震災から四半世紀を迎える。その節目に、神戸を代表する企業が昔のライバル関係を乗り越え、手を組むことになった。

 神戸製鋼が連覇を狙うトップリーグは1月12日に開幕する。神戸製鋼の初戦の相手はキヤノン。このスーツのお披露目も重なり、ぜひとも白星を得たいところだ。


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