次は、トップリーグ。ラグビーワールドカップで沸騰したラグビー熱を引き継ぐ、日本最高峰リーグが始まる。1月12日に開幕するジャパンラグビートップリーグ、8カードのみどころを紹介する(全3回)。
1月12日(日)
東芝ブレイブルーパス×サントリーサンゴリアス 14:00 秩父宮ラグビー場
府中をホームタウンとするチーム同士が開幕週に激突する。ともに多くの才能と経験ある選手たちを擁する。好敵手同士の感情も持つから、熱戦は約束されている。
元オールブラックス主将で、英国・プレミアシップ、バースのディレクター・オブ・ラグビーを務めていたトッド・ブラッカダー ヘッドコーチ(以下、HC)が指揮を執る東芝ブレイブルーパスの充実が聞こえてくる。同HCは現役時代、ナチュラルリーダーと呼ばれた人。指導者としての経験も豊富で、ウイニングカルチャーを知る。選手たちの自主性を促す指導法で、東芝の潜在能力を最大限に引き出しそうだ。
日本代表の先頭に立ったNO8リーチ マイケルを精神的支柱に、徳永祥尭(NO8)、小川高廣(SH)が共同主将を務め、現役NZ代表のマット・トッドら新加入選手も充実。昨年末におこなわれたトヨタ自動車とのプレシーズンマッチで38-19と快勝した試合はチームが順調に仕上がっていることを感じさせた。
サントリーサンゴリアスも新指揮官、ミルトン・ヘイグ監督がチームの舵をとる。こちらも才能豊かな選手たちが揃う。メンバー編成によって、多彩なスタイルで戦えそうだ。
リーダーとしてチームを牽引してきたSH流大は、日本代表で得た自信で、さらに安定感のある選手となった。NO8ショーン・マクマーン、SOマット・ギタウというワールドクラスの2人も共同主将の立場で、これまで以上に大きな影響力を発揮しそう。ワールドカップで世界規格のフィジカルを示したCTB中村亮土が、「ベストフィフティーンに選ばれたい」と気持ちを熱く戦いに臨む姿勢も楽しみ。現役・豪州代表で世界的なラインブレイカー、サム・ケレビも加わった。
積極的にボールを動かす、ダイナミックなラグビーを標榜するサントリーの強みは、選手層の厚さ。セットプレーがさらに強化されれば、初戦からアタッキングラグビーが炸裂しそうだ。
1月12日(日)
宗像サニックスブルース×NECグリーンロケッツ 14:00 レベルファイブスタジアム
ともに新指揮官がチームを率いる者同士が福岡で対峙する。宗像サニックスブルースは伝統的によく走り、奔放に攻めるスタイルで魅力を発揮する。NECグリーンロケッツは堅実なゲーム運びを得意とするだけに、対照的な持ち味の激突が楽しめそうだ。
ただ今季の宗像サニックスは、ディフェンス面の進化がすすんでいると聞こえてくるから注目だ。それが顕著に伝わってきたのが昨年12月におこなわれたNTTコムとのプレシーズンマッチ。14-21と競り負けるも、攻撃力高いアタッカーを揃えてきた相手を試合終了間際まで2トライに抑え、接戦を演じた。コーリー・ブラウン ヘッドコーチは、時間をかけてフィットネスを高め、フィジカル面も強化。土台を強くしたことがパフォーマンスの安定につながっている。日本代表として活躍したLOジェームス・ムーアの存在も合わせ、多くの人が見つめる中で、これまでの奔放なスタイルに接点での強さを加えたニュー・ブルースの戦い方が披露されるだろう。
現役時代はミスター・グリーンロケッツと呼ばれた浅野良太ヘッドコーチ(以下、HC)が新指揮官となったNECも、防御には信念がある。同HCは「かつて自分たちが武器としていたディフェンスを、あらためて強みとして取り戻す」と話す。その強固な意志のもと、チーム作りが進められている。 ビッグネームの加入などはないが、そのぶん結束力の強さで挑む。FL亀井亮依主将のもと、派手さはないが、辛抱強く戦い勝機をつかむ。勝利の条件は相手をロースコアに抑えることだろう。
強い時のグリーンロケッツはいつも泥臭い。ジャージーを汚しながら勝利をつかみにいく。