ラグビーリパブリック

「スタジアムで待ってるよ。」TL開幕戦みどころチェック(2)

2020.01.08

 次は、トップリーグ。ラグビーワールドカップで沸騰したラグビー熱を引き継ぐ、日本最高峰リーグが始まる。1月12日に開幕するジャパンラグビートップリーグ、8カードのみどころを紹介する(全3回)。

1月12日(日)
パナソニックワイルドナイツ vs クボタスピアーズ 13:00熊谷

 総力結集して王座奪回に挑むパナソニックが地元熊谷で、順調に成長曲線を描くクボタと対戦する。クボタは昨年6~8月に開かれたカップ戦で準優勝。新任の田邉淳アシスタントコーチは「決勝に進んだことで、選手に自信がついた」と手ごたえを語る。FWはビッグネームが揃う。日本代表で名を馳せたFLピーター・ラピース・ラブスカフニに、NO8ドウェイン・フェルミューレンはワールドカップで南アフリカを優勝させた原動力。加えて、昨年4月に天理大から加入したNO8ファウルア・マキシも突破力に走力、リーダーシップも備え、次代の日本代表の呼び声高い。チームを率いるのは、信任厚いリーダーCTB立川理道。3年連続の開幕カード、過去2回はパナソニック勝利だが、立川主将は「今年は勝ちます」とプレスカンファレンスで宣言した。
 パナソニックはHO堀江翔太、WTB福岡堅樹とそうそうたる顔ぶれを擁しながら昨季は6位。日本代表やサンウルブズの活動に追われ、チームとして成熟する時間がとれなかった。今季は11月の宮崎合宿から全員そろい、短時間で一体感を高めている。

1月12日(日)
日野レッドドルフィンズ vs NTTコムシャイニングアークス 11:30秩父宮

 昨季は史上最高戦績の5位をマークしたNTTコムにとっては、いよいよトップ4以上へ、シビアなチャレンジを仕掛けていくシーズン。初戦で戦う「フレッシュ」なパック(群れ)が日野レッドドルフィンズだ。見逃せないのは、セットプレーからの始めのアタックでの攻防だ。
 NTTコムは近年、スクラムを中心にセットプレーの地力を着々と上げている。177㎝のダイナマイト・金正奎キャプテンや、昨季サンウルブズでチームを牽引したFLヴィリー・ブリッツ、日本代表NO8アマナキ レレィ マフィ、クレバーな闘士・栗原大介ら俊英がいっぱい。さらに、今年はW杯優勝の南ア代表から、世界最強のHOと言われるマルコム・マークスも加入し凄みを増している。BKからはオーストラリア代表SOクリスチャン・リアリーファノが流れを仕切る中、機動力も備えたFWが絡んで、どんな1時攻撃を繰り出すのか楽しみだ。
 対する日野のフレッシュさは、組み合わせのフレッシュさでもある。ヤマハの大黒柱であったバックロー堀江恭介はカルチャーの担い手も引き受け、周囲に影響を与え続ける。同じくヤマハから移籍のモバイルLO、ディネスバラン・クリシュナンにも注目だ。第一列には東芝から来たPR浅原拓真、トヨタから出向のベテランLO北川俊澄は勝負強さがある。もしベテラン組が活躍すれば、スクラムワークや読みの鋭さが生きる。ここぞのセット(スクラムやラインアウト)で仕掛けるアタックには注意が必要だ。SHに元オールブラックスのオーガスティン・プル、SO染山茂繁ら、その起点にリーダー陣が配置されている。

1月12日(日)
ヤマハ発動機ジュビロ vs トヨタ自動車ヴェルブリッツ 13:00ヤマハ

 東海ダービーの見どころはスクラム。かねてからスクラムに強いこだわりを持つヤマハは昨年11月、フランスで合宿。現地のチームと練習試合を行い、トップ14の強豪トゥールーズに29-27で勝利を収めた。大戸裕矢主将は「フランスの強豪にも通じたことで、スクラムに手ごたえを得た。トヨタ戦も勝負を決めるのはセットプレー」ときっぱり。ワールドカップで日本代表のスクラムを支えた長谷川慎コーチも古巣に復帰。さらなる強化に余念がない。一方のトヨタ自動車も第1列は人材豊富。日本代表に選ばれたPR木津悠輔、最後に選に漏れた三浦昌悟の若手フロントローが腕をぶす。チームを率いるのは日本代表でもおなじみのNO8姫野和樹主将。ニュージーランド代表のキャプテンを務めたキアラン・リードも加入。さらには代表監督だったスティーブ・ハンセン氏も「ディレクターオブラグビー」としてチームリストに名を連ねた。まずはファーストスクラムに注目だ。