ラグビーリパブリック

GRACEが嬉しい初優勝。「Otowa CUP」決勝でアルテミスターズとの接戦制す。

2020.01.06

2トライを挙げて勝利に貢献したGRACEのFB内海春菜子。(撮影/松本かおり)

喜びに浸るGRACE。抜群のチームワーク。(撮影/松本かおり)
後半24分にトライを挙げたアルテミスターズCTB久保光里。(撮影/松本かおり)
準優勝のアルテミスターズ。追い上げるも、一歩届かなかった。(撮影/松本かおり)



 初タイトルに笑顔の花が咲いた。
 1月5日、第30回関東女子ラグビーフットボール大会『Otowa CUP』(15人制)の決勝戦がおこなわれ、RKUラグビー龍ケ崎GRACEが横河武蔵野アルテミスターズを40-36と破った。初優勝だった。

 PR南早紀主将など、FWにずらりと日本代表を並べたアルテミスターズ。GRACEは日本代表の大塚朱紗がSOでプレーし、BKにスピードある選手を揃えた。
 GRACEは、そのBKを使って先に流れをつかんだ。
 前半16分、右サイドを走ったWTB大谷苑佳がインゴールに入る。19分にはBKのラインブレイクで大きく前進し、最後はFB内海春菜子が走り切った。その後アルテミスターズFWに2トライを奪われるも、自分たちも幅野真子、内海とバックスリーが強みのスピードを見せて2トライを追加して前半を26-14とリードして終えた。

 後半はアルテミスターズFWがパワー全開。その前進をきっかけにトライを重ねて(WTB齋藤亜里穂、FL小西想羅、CTB久保光里、CTB名倉ひなの)猛追したが、GRACEは2トライを追加して逃げ切った。
 前8人が圧力を受けながらも勝利をつかめたのは、押し込まれても、決して前へ出る気持ちを失わなかったからだ。
 奪った2トライはインターセプトから。冷静に状況を把握しながら、一斉に前へ出続けた結果。コミュニケーションが取れていた。

 初戴冠にGRACEのCTB鹿尾みなみ主将は、「この試合には、『真っ向勝負』をテーマに臨みました。苦しい試合になるのは分かっていましたが、絶対に受けることなく、前へ出続けようと言って戦い、結果が出て嬉しいです」と話した。
 アルテミスターズのFWが強いのは分かっていた。しかし、自分たちの強みを出し続ける「真っ向勝負」の意識を強く持つことで、苦しい時間帯も前向きでい続けられた。

 井上愛美ヘッドコーチは、選手たちの結束と練習量に支えられた自信を勝因に挙げた。
 チームはこの日の勝利を見据え、年末年始など関係なく、通常通りのスケジュールをこなしてこの日を迎えた。
「いつも通りにやりました。それがよかった。みんな、自主的に本当によく練習をします。セブンズなどで良い結果が残せるようになったことも自信になっているし、練習量も自信になっています。また、他大の学生や社会人以外は寮に暮らし、長く同じ時間を過ごしています。それが生むコミュニケーションの良さも大きいですね」

 BKの大会MVP(FWはアルテミスターズの南)に選ばれた内海は、「試合前の分析で、BKで戦えると思っていました。外を攻めよう、と。思い切って走ったことがチームの勢いにもつながったことが嬉しいです」と笑顔を見せた。
 まだ2年生。チーム同様、大きな可能性を秘めている。


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