次は、トップリーグ。ラグビーワールドカップ(W杯)で沸騰したラグビー熱を引き継ぐ、日本最高峰リーグが始まる。1月12日に開幕するジャパンラグビートップリーグ、8カードのみどころを紹介する。
1月12日(日)
リコーブラックラムズ vs Honda HEAT 11:45 花園
花園の第1試合は、ともに新戦力で、持ち味に磨きをかけたもの同士の対戦だ。
昨季8位のリコーは、大東大からファカタヴァ兄弟を獲得しよりパワフルに。出場が叶えば、FWでワイルドに戦うタラウは、近年、セットプレーとディフェンスのレベルアップを図って安定感増すチームの、パンチのある突破役としてアクセントになる。大学日本一を果たした明大から加入のLOオルジェン・カズミも存在感を放つ。一方で司令塔には、オーストラリア代表キャップ51を数えるベリック・バーンズを、パナソニックから獲得した。
「バンジー」のニックネームで親しまれるバーンズは、世界もトップリーグも知り尽くしたベテランだ。状況に応じたゲームコントロールで、一段上の安定感をもたらす。練習熱心なナイスガイでもあり、自らもハードワークを厭わず、周囲に良い影響を与え続けるだろう。
安定感がキーワードのリコーに対して、HondaはBKのスピードで破調を仕掛ける。日本代表として2019年W杯のロシア戦、アイルランド戦、サモア戦で連続先発したWTBのレメキ ロマノ ラヴァが、観客席に近いタッチライン際を駆け抜ける。FBには、目の覚めるような突破を見せるエイダン・トウアがいる。昨年のトップリーグで、チーム初のトップリーグ9位を遂げたのは、こうしたランナーたちの活躍が大きい。そのBKに、今年はより多くのチャンスボールが供給されそう。FWが充実しているからだ。昨季はケガに泣いた日本代表PR具智元(グ・ジウォン)、そしてW杯優勝LO、南アフリカ代表のRG・スナイマン(身長206㌢!)が躍動する。
昨年に続く開幕節での対戦。昨季8位(リコー)と9位(Honda)。ともに譲れない。
1月12日(日)
NTTドコモレッドハリケーンズ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ 14:00 花園
トップチャレンジリーグから昇格した2チームの対戦。試合会場はワールドカップが開催された花園ラグビー場。NTTドコモレッドハリケーンズにとってはホームスタジアムとあって、WTB茂野洸気キャプテンも「開幕戦を花園で試合ができるのは楽しみ」と期待に胸を膨らませる。昨シーズンから指揮を執るマイケル・ブリューワーヘッドコーチは、オールブラックスで32キャップ、指導者としてもスコットランド代表のFWコーチやフィジー代表のテクニカルディレクターも務めた経験があり、見事、1年でトップリーグ再昇格を果たした。2年目を迎え、チームもさらに結束を高め、プレシーズンマッチでもトヨタ自動車ヴェルブリッツに勝利するなど、上位チームに対しても接戦を繰り広げている。対する相模原ダイナボアーズにとっては18シーズンぶりのトップリーグだが、他チームで経験豊富な選手も多い。さらに今シーズンは、リコーからFL武者大輔、トヨタ自動車からSO竹田祐将らが加わり、選手層も厚くなり、外国人選手たちとともにパワフルなラグビーで挑む。
1月12日(日)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ vs キヤノンイーグルス 13:00 神戸ユニバー
なんといっても楽しみなのは、HB団対決。
昨シーズン、トップリーグが創立された2003年度以来の優勝を遂げた神戸製鋼にはSHアンドリュー・エリス、SOダン・カーターと、元オールブラックスコンビが鉄板。それだけではない。元日本代表SH日和佐篤、サンウルブズでキック力を見せつけたSOヘイデン・パーカーと、どう組み合わせてもリーグ屈指のHB団が出来る。対するキヤノンもSH田中史朗がパナソニックから加入。SO田村優と、W杯で日本を熱狂されせたコンビが揃った。神戸ユニバーで日本代表対ニュージーランド代表対決が実現するか、興味は尽きない。またキヤノンにはFLエドワード・カーク、神戸製鋼にはLOグラント・ハッティングと、サンウルブズを支えた主力も在籍。彼らのマッチアップも注目だ。キヤノンにとっては昨季王者への挑戦となるが、相手の神戸製鋼はアリスター・クッツェーHCの古巣でもある。一泡吹かせたい。
(つづく)