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桐蔭学園が東福岡下し3冠&花園単独Vに王手! 御所実は常翔学園破り春に続く頂上対決へ

2020.01.05

東福岡の渾身のアタックを、真っ向勝負で跳ね返した桐蔭学園(撮影:毛受亮介)


 東大阪市花園ラグビー場で開催されている第99回全国高校ラグビー大会は1月5日、準決勝がおこなわれ、第1試合は御所実業(奈良)が常翔学園(大阪第2)に26-7で快勝、第2試合では春の王者である桐蔭学園(神奈川)が東福岡(福岡)を34-7で下し、決勝進出を決めた。春の全国高校選抜大会で決勝を戦った2校が、シーズンを締めくくる花園のファイナルでも激突することになった。

 9年前の第90回大会決勝で東福岡と引き分け、両校優勝として名前を刻んでいた桐蔭学園は、その東福岡を倒し、悲願の単独優勝に王手をかけた。2季連続7度目の決勝進出。今季は春の全国選抜大会、夏の全国7人制大会を制しており、冬の大舞台で3冠目を狙う。

 全国選抜大会で桐蔭学園に大敗していたチャレンジャーの東福岡は序盤から気迫にあふれていたが、前半5分、大外に振った長いパスを桐蔭学園のWTB飯塚稜介がインターセプトし、約40メートル走り切って先制した。桐蔭学園は17分にもゴールに迫り、CTB渡邉誠人が堅いグリーンの壁を壊してインゴールに押さえ、追加点を挙げた。
 早めに点差を詰めたい東福岡は21分、FWが近場を突き続けてゴールに迫り、NO8西濱悠太が仲間のサポートを得てゴールラインに押さえトライを奪い返した。
 しかし桐蔭学園は27分、再び敵陣深くに入ってチャンスとなり、身長187センチ、体重107キロの2年生LO青木恵斗がピック&ドライブでインゴールに突っ込み、貴重な追加点を挙げ21-7で折り返した。

 桐蔭学園は後半の序盤、ディフェンスで踏ん張り、8分にPGで加点し17点差とした。
 東福岡は17分、WTB松岡大河のビッグゲインで敵陣22メートルライン内に入ったが、桐蔭学園は守りが堅く、ブレイクダウンでプレッシャーをかけ、ターンオーバーでピンチを脱出した。
 勢いづいた桐蔭学園は22分、敵陣深くでボールを奪い返し、LO青木がトライを挙げて点差は拡大。試合終了前には主将のSO伊藤大祐がドロップゴールを決め、東福岡を突き放した。

堅いディフェンスと強力なモール。御所実はスキがなかった(撮影:早浪章弘)

 初優勝を目指す御所実は5年ぶり4度目の決勝進出となった。
 御所実は前半8分、ターンオーバーからの連続攻撃でゴールに迫り、FL長船鉄心が密集から抜けてインゴールに突っ込み先制した。13分にも敵陣22メートルライン手前まで攻め込むと、高校日本代表候補でもあるリーダーのFB石岡玲英が鋭い走りで防御網を破り、WTB安田昂平につないで連続トライとなった。22分には自陣深くからキックで脱出しようとした常翔学園の選手がハンドリングエラーし、反応速くこぼれ球を拾った黒衣のSH稲葉聖馬がゴールに持ち込み点差は広がった。

 19-0で折り返した御所実の勢いは止まらず、後半4分にはU17日本代表を経験している2年生WTB安田が自陣からのカウンターで4人のタックラーを鮮やかに振り切り、ゴールへ駆け抜けた。
 一方、7年ぶりの優勝をあきらめない常翔学園は後半15分、敵陣深くのスクラムから攻め、FL原透和がゴールラインを割って勝利への執念を見せた。
 しかし、その後も常翔学園は何度か敵陣深くに入ったが、御所実のディフェンスは堅く、ブレイクダウンでターンオーバーを連発、常翔学園に2つ目のトライは許さず、26-7でノーサイドとなった。

 御所実の竹田寛行監督は、「体の小さい子が大きい子に食らいついて、よくやってくれた。決勝戦もあきらめないで頑張ってくれると思う」と、選手たちの成長に期待している。
 リーダーの石岡は「決勝の舞台を夢見てこの3年間やってきた。(決勝では)いつもやっているように、まずはディフェンスからしっかり前に出て、3年間やってきたことを前面に押し出して、みんなで楽しんでやっていきたい」と意気込みを語った。

 2019-20シーズンの高校日本一を決めるファイナル、桐蔭学園×御所実は、1月7日におこなわれる。