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常翔学園が中部大春日丘との激闘制す! 連覇狙う大阪桐蔭は堅守の日本航空石川倒し8強

2020.01.01

ゴールに迫ったオレンジ色の中部大春日丘。耐える常翔学園(撮影:松本かおり)


 過去5回の優勝を誇る常翔学園高校(大阪第2)が、1月1日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた第99回全国高校ラグビー大会の3回戦で中部大学春日丘高校(愛知)と対戦し、19-15で制し準々決勝進出を決めた。中部大春日丘は伝統校を苦しめたが、初のベスト8入りはならなかった。

 相手に先制PGを許した常翔学園だったが、前半17分、スクラムでプレッシャーをかけて敵陣深くに入り、ラインアウトからモールでゴール前まで前進、主将のPR為房慶次朗がパワーでオレンジの堅い壁に穴を開け、ファーストトライを挙げた。23分にはFL福本航平、LO木戸大士郎、CTB岡野喬吾と好走が続いて敵陣深くに入り、連続攻撃でPKを得ると、タップから攻めてパワープレーでNO8知念優来がトライを取り切った。

 対する中部大春日丘は11点ビハインドの後半8分、モールでゴールに迫り、HO平沼泰成がピックアップから突っ込んでトライを奪い、4点差に詰めた。

 しかし常翔学園は14分、敵陣10メートルライン付近のスクラムから、ボールをもらったSH辻時羽がサイドアタックで抜け、タックラーを振り切って走り切り、大きな5点を追加。

 それでも中部大春日丘は粘り、19分、PGがポストに当たって跳ね返ったあと攻め続け、CTB笠井将英が突破、CTB神田永遠につないでゴールに迫り、サポートしたLO本郷正人がトライ。再び4点差とした。

 活気づく中部大春日丘は24分、敵陣深くに入ってラインアウトから攻め、フェイズを重ねたが、常翔学園の守りに対して反則を犯し、好機を逃した。28分にもゴールに迫ったが、常翔学園の懸命のタックルでノックオン。残り時間、FWのボールキープで逃げ切ろうとした常翔学園に対し、中部大春日丘は最後にもう一度ボールを奪い返して敵陣深くに入ったが、ここも常翔学園が踏ん張り、激闘はノーサイドとなった。

日本航空石川のディフェンスに挑む大阪桐蔭のNO8奥井章仁(撮影:松本かおり)

 昨シーズンの高校ラグビーチャンピオンである大阪桐蔭高校(大阪第1)は、2年ぶりのベスト8入りを目指した日本航空高校石川(石川)に15-3で競り勝ち、準々決勝に進んだ。

 大阪桐蔭は前半9分、敵陣22メートルライン手前のスクラムからBK展開し、FB芦塚仁が切り込み、パスをもらったWTB堤田京弘が走り切り先制した。
 だがこの試合、日本航空石川の粘り強さが光り、17分にSO嶋竜輝がPGを決め点差を詰めると、そのあとはディフェンスで大阪桐蔭を苦しめた。
 大阪桐蔭は23分、20フェイズを重ねて敵陣深くに入ったが、日本航空石川が耐える。LO藤井慎太郎のラインアウトスチールはチームを元気づけ、ブレイクダウンではNO8パトリック・ヴァカタが大阪桐蔭にレッシャーをかけた。大阪桐蔭はハーフタイム前にも30フェイズ以上重ねたが、日本航空石川がここも踏ん張り、わずか2点差で折り返した。

 後半も日本航空石川のアグレッシブなタックルは続いたが、大阪桐蔭は4分、敵陣深くでFWがファイトしたあとすばやくBK展開し、WTB堤田がフィニッシュ。SO嘉納一千は厳しい角度からのコンバージョンを決め、12-3とした。大阪桐蔭はさらに28分、スクラムでプレッシャーをかけて相手の反則を引き出し、SO嘉納がショット成功。
 日本航空石川は終了間際に敵陣深くに入ったが、大阪桐蔭がブレイクダウンでボールを奪い返し、チャレンジャーにトライを許さなかった。