2020年のオリンピックイヤーに初日が昇り、高校生ラガーマンたちの憧れの聖地、花園ラグビー場では第99回全国高校ラグビー大会の3回戦がおこなわれた。
第1グラウンドでは、春の選抜大会、夏の7人制大会に続く3冠を狙う桐蔭学園高校(神奈川)が、1回戦から勝ち上がってきた埼玉県立浦和高校を78-5と圧倒。第3グラウンドでは、桐蔭学園と同じくAシードの京都成章高校(京都)が石見智翠館高校(島根)に24-15で競り勝った。
桐蔭学園は前半2分、SH島本陽太が敵陣10メートルライン付近から抜けて走り切り先制。7分にはブレイクダウンでターンオーバー後、速いテンポで攻め上がり、WTB飯塚稜介が力強い走りでディフェンダーを振り切り連続トライとなった。12分にはLO渡部創太郎がビッグゲインで敵陣深くに入り、クイックリサイクルからFB秋濱悠太がフィニッシュ。15分には高校日本代表候補の2年生NO8佐藤健次がダイナミックな走りを見せ、会場を沸かせた。
桐蔭学園は敵陣でプレーする時間が長く、浦和がボールを手にしても激しくプレッシャーをかけてターンオーバーし、完全にゲームを支配した。計12トライ。
敗れた浦和だが、後半11分、敵陣10メートルのラインアウトからモールを組んで大きく前進し、バックスも加わって押し続け、インゴールになだれ込み、優勝候補からトライを奪って大きな拍手を浴びた。
京都成章と石見智翠館の試合は接戦となった。石見智翠館はディフェンスが粘り強く、ブレイクダウンでも激しくファイトしてシード校を苦しめた。
先制したのは京都成章。前半5分にゴールに迫り、FL村田陣悟が185センチの長身を活かしディフェンダーを飛び越えグラウンディングした。
対する石見智翠館は23分、ハイボールをキャッチしたNO8グアイニ優人がゲインしてWTB稲垣直希、SH高島大輝とつなぎ、トライを奪い返した。
後半、京都成章が立ち上がりよく攻め込んだが、2分、石見智翠館の快足CTB恒藤嵐士が自陣深くでインターセプトして80メートル以上走り切り、逆転トライ。
その後、互いにPGで得点を重ね、京都成章は5点ビハインドで迎えた14分、敵陣深く中央でPKを得ると、タップからのサインプレーを決めて身長191センチのLO本橋拓馬が突っ込み、トライ。コンバージョンも成功で17-15と逆転した。
石見智翠館の堅守に苦しんだ京都成章だが、27分、テンポよく攻め込み敵陣深くに入ると、PR西村優希が仲間のサポートを受けてゴールに突進し、貴重な追加点を挙げ、勝利を引き寄せた。