ラグビーリパブリック

國學院栃木が報徳学園との熱闘制す。前王者・大阪桐蔭と東京も2回戦突破

2019.12.30

報徳学園のエース山田響を囲む國學院栃木の選手たち(撮影:松本かおり)


 1回戦で162得点し、全国高校ラグビー大会での1試合最多得点記録を更新した報徳学園(兵庫)は、12月30日におこなわれた2回戦でBシードの國學院栃木(栃木)に挑み、競ったが、12-14で敗退した。勇敢だった報徳学園に対し、國學院栃木は渾身のタックルで何度もピンチを乗り越え、熱闘を制した。

 先制したのは國學院栃木だった。前半10分、ラインアウトからのドライビングモールで敵陣22メートルライン内に入ったあと、FWでさらに前進し、紺色のジャージーが塊になってインゴールになだれ込んだ。

 対する報徳学園は14分、相手のハンドリングエラーから、ルーズボールをCTB竹ノ内堅人が足にかけてまもなく確保し、トライ。7-7で迎えた27分には、ディフェンスでボールを奪い返し、自陣10メートルライン手前から主将のエースFB山田響が抜け、快足で60メートル以上走り切り逆転した。

 しかし國學院栃木は30分、モールからのバックス展開で高校日本代表候補のSO伊藤耕太郎が鮮やかに抜けて同点トライを挙げ、FB山田翔平がコンバージョンキックを決めて勝ち越した。

 2点を追う報徳学園は後半18分、フェイズを重ねて敵陣深くに入り、キックパスがつながってトライチャンスになりかけたが、國學院栃木のWTB小川拓斗が懸命に戻って報徳CTB竹ノ内にタックルし、落球で悲鳴と歓声が交錯した。24分には報徳学園のWTB植田和磨がブレイクスルーで疾走したが、食らいついた國學院栃木のWTB青柳龍之介がスーパータックル。試合終了間際、報徳学園のCTB竹ノ内が切り込みゴールに迫ったが、今度はPR藤倉大介と主将のSH北村瞬太郎が執念で止め、國學院栃木はピンチを脱出。数秒後、激闘はノーサイドとなり、國學院栃木が歓喜した。

ボールを出す大阪桐蔭のSH萩原周(撮影:松本かおり)

 昨年度のチャンピオンである大阪桐蔭(大阪第1)は、茗溪学園(茨城)の挑戦を55-12で退けた。
 大阪桐蔭は開始1分でFB芦塚仁が駆け抜け先制すると、5分にはFWのパワープレーでトライ。PGでも加点し、17分にもゴールに迫って主将のNO8奥井章仁が突っ込み点差を広げた。
 22点ビハインドとなった茗溪学園は23分、FB大田浩平のビッグゲインで敵陣深くに入り、PKを得ると、主将のSH大越勇気が相手の一瞬の隙を逃さず長いキックを放ち、それをCTB内田速人が確保してトライ。28分にもキックパスからチャンスとなり、WTB今井惇平がハーフウェイから駆け抜け点差を詰めた。
 しかし、大阪桐蔭は22-12で迎えた後半の2分、CTB山添将輝、CTB野村将大、WTB下山綱海とつなぎトライ。4分には、2年生時から高校日本代表を経験しているNO8奥井が約70メートルのパワフルランでスタジアムを沸かせ、その後はドライビングモールなどでトライを重ね、茗溪学園を突き放した。
 大阪桐蔭は3回戦で日本航空石川と対戦する。

東京(紫)と黒沢尻工の攻防(撮影:松本かおり)

 同じくBシードの東京(東京第1)は2回戦で黒沢尻工業(岩手)と対戦し、57-12で勝って3回戦進出を決めた。
 東京はキックオフから10分間で3連続トライを挙げ、主導権を握った。前半2分にFL野田光祐が先制し、5分はSH石山翔英が間隙を突いて最後のタックラーも弾き飛ばし、加点した。9分にはPKを得ると、LO鈴木進太郎がクイックタップで仕掛け、CTB水野陸のトライを演出した。東京は後半も先に3連続トライで43-0とし、勝負あり。
 黒沢尻工は後半24分にFB畠山太星がインターセプトから独走し、この日初得点。試合終了前のラストアタックでは“赤べこFW”が意地を見せてトライを取り切り、来年につないだ。