ラグビーリパブリック

報徳学園が1回戦で162点、最多得点記録更新! 茗溪学園と若狭東も2回戦へ

2019.12.28

報徳学園主将のFB山田響も鮮やかな走りを披露した(撮影:松本かおり)


 夏の全国高校7人制大会でベスト4入りした報徳学園(兵庫)が、15人制でおこなわれる冬の大舞台、全国高校ラグビー大会で史上最多得点、最多トライの記録を更新した。第99回大会は12月28日に東大阪市花園ラグビー場で1回戦がおこなわれ、ノーシードながら注目校の報徳学園は山形中央とぶつかり、162-5と圧倒した。
 報徳学園は序盤からトライラッシュ。前半1分に相手のラインアウト失敗からチャンスとなってLO佐藤脩太が先制すると、リスタート後にはWTB河野秀太郎が自陣からゲインし、サポートしたCTB波田怜央が駆け抜けた。その後も報徳学園の猛攻は続き、計24トライと圧倒。第96回大会で東福岡が記録した139得点を上回り、全国高校ラグビー大会での1試合最多得点記録を更新した。
 敗れた山形中央だが、後半11分、ラインアウトからのサインプレーが決まって主将のHO工藤翔がゴール前まで突進、すばやくリサイクルしてボールを動かし、LO吉田伊吹がタックラー2人をかわしてトライを奪い、観客席から大きな拍手が送られた。
 勝った報徳学園は2回戦でBシードの國學院栃木と対戦する。

ボールを出す茗溪学園の主将、SH大越勇気(撮影:松本かおり)

 茨城の名門校である茗溪学園は、6年ぶりの出場となった鹿児島工業と対戦し、50-21で2回戦進出を決めた。
 茗溪学園は前半に4トライを挙げて主導権を握った。開始早々、HO持田瑛生がラックサイドを抜けて豪快に突進し先制すると、4分には俊敏なWTB服部紘汰がハーフウェイ右外からスピードに乗って次々とタックラーをかわし、追加点。数分後に服部が連続トライを決め、さらにPGで加点したあとの16分にはCTB藤井季生も躍動し、31-0とした。
 茗溪学園は後半にも3トライを追加。
 大差をつけられた鹿児島工は、後半10分にFWのパワープレーでトライを決め、20分にはSO林晃平の粘り強いタックルからボールを奪い返してキャプテンのCTB杉崎晴人がゴールへ疾走。逆転には届かなかったが最後まで執念を見せ、終了間際にもゴールに迫ってHO倉園遼馬がチーム3トライ目を挙げ、戦いを終えた。
 茗溪学園は2回戦で前年度チャンピオンの大阪桐蔭に挑む。

力走する郡山北工業の主将、NO8望月誠志朗(撮影:松本かおり)

 今年、創部70周年を迎えた若狭東(福井)は1回戦で郡山北工業(福島)と対戦し、36-21で逆転勝ちした。
 前半3分にSH道下聖哉がクイックタップから走り抜け先制した若狭東。しかし、郡山北工は取られたら取り返す接戦を演じ、7分、SO二瓶学斗からのキックパスをWTB石塚大竣がインゴール上空で確保し、トライを挙げた。14分に若狭東のLO中塚敬士が力走すれば、郡山北工は25分、主将のNO8望月誠志朗が力強いレッグドライブでゴールラインを割った。リスタート後、若狭東はSO左近田悠矢が軽快なフットワークで中央を抜け逆転したが、郡山北工はハーフタイム前、ループを使って相手を惑わせ、NO8望月が抜けて走り切り、またもゲームをひっくり返した。
 だが後半を支配したのは若狭東だった。4点を追う後半5分、スクラムからのバックス展開でWTB岡本征騎がフィニッシュし、再逆転。16分にもゴールに迫りFW勝負で加点すると、22分にはまたも敵陣深くでPKを得てPR富田凌仁が勇敢に突進し、3連続トライで勝利を引き寄せた。
 若狭東は2回戦でBシードの佐賀工業と対戦する。