ラグビーリパブリック

関商工、札幌山の手、松山聖陵も2回戦進出。黒沢尻工は14トライ大勝

2019.12.27

熊本工業との1回戦でボールを展開する関商工のSH隅田聖武(撮影:松本かおり)


 第99回全国高校ラグビー大会が12月27日に開幕し、13年ぶりの出場となった熊本工業は1回戦で関商工(岐阜)に挑み、14-36で敗れた。
 先に得点したのは熊本工だった。前半8分、ゴール前でPKを得るとタップからトライを狙いに行き、LO村上武蔵がインゴールにねじ込み先制した。
 しかし、関商工はディフェンスでリズムを取り戻し、17分、自陣深くから攻め上がり、ボディバランスのいいWTB中村海斗がハーフウェイから走り切って流れを変えた。21分にはCTB上野颯汰が快走し、パスをもらったWTB清水健人がトライを決め逆転。その後。関商工は危険なプレーをした選手にイエローカードが出て数的不利となったが、ハーフタイム前、熊本工の長いパスがつながらず、バウンドボールを手にしたWTB中村がゴールに持ち込み、点差は広がった。関商工は後半にも3トライを追加。
 熊本工は試合終了間際、主将のSH武井陽昌がWTB村上達也とのパス交換からゴールへ走り切り、執念のトライを決めたが、2回戦進出で東海大仰星(大阪第3)への挑戦権を獲得したのは関商工だった。

高鍋との接戦を制した札幌山の手(撮影:松本かおり)

 今年のワールドカップで世界中から称賛された日本代表の主将、リーチ マイケルの出身校でもある札幌山の手(南北海道)は、1回戦で高鍋(宮崎)と対戦し、26-14で競り勝った。
 身長165センチ、体重70キロと小柄ながら高鍋の8番をつける齊藤瑠海奈に防御網を切り裂かれ先制された札幌山の手だったが、前半15分、ニュージーランド出身で高校日本代表候補にも名を連ねるNO8ヴェア・タモエフォラウがパワーで押し込み、22分にもモールでゴールに迫りタモエフォラウが連続トライで逆転した。
 札幌山の手は14-7で折り返した後半、力強いドライビングモールでリードを拡大。
 高鍋は18分、キャプテンのFB細元亮がビッグゲインし、サポートした高校日本代表候補のSH白栄拓也がゴールに持ち込み5点差に詰めたが、札幌山の手は終盤、またもNO8タモエフォラウがパワーでタックラーを弾き飛ばしてハットトリックを決め、熱戦を制した。
 札幌山の手は2回戦で、日本代表の若きリーダー・姫野和樹の出身校である中部大春日丘(愛知)と対戦する。

松山聖陵(白×紫紺)と旭川龍谷も激しくぶつかった(撮影:松本かおり)

 北北海道代表の旭川龍谷は松山聖陵(愛媛)と対戦。2回戦進出を決めたのは松山聖陵で、スコアは38-10だった。
 開始早々、旭川龍谷がスクラムからの攻撃でSO林海斗が抜け、CTB重堂凌哉につないで先制した。
 しかし松山聖陵は20分、FWのパワープレーでトライを奪い返すと、その3分後には、相手が落としたボールをWTB永江優那が拾ってゲイン、サポートしたSH中村一貴が約50メートル走り切り、リードを奪った。
 その後、4点差に詰められた松山聖陵だったが、後半8分にLO乗松慶志がインゴールにねじ込んで点差を広げ、さらに3トライを追加、後半は旭川龍谷に得点を許さず、2回戦進出となった。
 松山聖陵は次、Bシードの九州王者・東福岡に挑む。

ボールを持ち出す米子工のNO8江角翔。黒沢尻工の守りは堅かった(撮影:松本かおり)

 そして、東北の古豪である黒沢尻工業(岩手)は米子工業(鳥取)を82-0と圧倒した。
 黒沢尻工は、伝統の「赤べこFW」が得意の強力モールを武器に開始からの20分間で4連続トライを奪い、その後はBKも躍動。黒と赤の段柄ジャージーを着た東北の男たちは後半も運動量豊富で、スカイブルーのディフェンスを何度も突破、計14トライを挙げ、大勝となった。
 黒沢尻工は30日の2回戦でBシードの東京(東京第1)と対戦する。