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ラグビー日本代表リーチ マイケルも期待。語学堪能なスポーツ人育成

2019.12.24

「これからは、英語が話せることがアドバンテージになるのではなく、英語が話せないことがディスアドバンテージになる時代」と佐藤秀典氏。そして、この日はゲストという立場だったリーチ マイケル選手だが、『スポーツ外国語学科』のカリキュラムにも協力する意向だという。(写真/川本学)

大阪・豊中市にある履正社高校で12月22日、日本代表キャプテンのリーチ マイケル選手をゲストに招いたトークイベントが行なわれた。

テーマは『日本スポーツと英語の新時代』。履正社医療スポーツ専門学校が、スポーツに特化した語学を学ぶ国内初の教育機関として『スポーツ外国語学科』を新設するにあたって、記者発表ののちに一般の学生や保護者向けに催されたものだ。

先のワールドカップを含めて日本代表の通訳として活躍し、本学科の学科長に就任した佐藤秀典氏も登壇。スポーツジャーナリストの生島淳氏の進行のもと、約1時間にわたってトークを繰り広げた。

今では日本語を完璧にこなすリーチ選手も、意思疎通のできないもどかしさは嫌というほど経験した。母国語と異なる言語でコミュニケーションを行なう難しさと大切さをもっとも深く知る人物であり、このテーマの重要性を最も実感している外国出身選手の一人だ。

「ニュージーランドでも勉強してきたけど、あまり役に立たなかった。『デス・マス』調の丁寧な言い方しか知らなかったから」と振り返り、「違う言葉や文化はそこの生活の中に入っていって肌で感じるのが一番」と話した。

日本代表チームから絶大な信頼を得ていた佐藤氏でさえ、自身の仕事に満足できないストレスとも戦いながらの日々を明かしつつ、スポーツの現場における問題や課題を指摘する。

「通訳が不足しているのは事実。でも必要なのは通訳を増やすことではなく、どんな職についている人も当たり前に英語を話せるようにならなくてはならない」

最後の質問コーナーでは、「スランプの克服の方法は?」「進む道に迷ったら?」といった助言を求める声が多く、自分の道を極めてきた旬のプロフェッショナルたちの言葉に、集まった約200人は熱心に耳を傾けていた。

(取材/山口奈緒美)

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