第56回全国大学ラグビー選手権大会は12月15日、埼玉と大阪で3回戦がおこなわれ、日本大、関西学院大、筑波大、流通経済大が勝って準々決勝進出を決めた。
6年ぶりの出場となった日本大(関東大学リーグ戦1部 2位)は埼玉・熊谷ラグビー場で京都産業大(関西大学Aリーグ 4位)と対戦し、24-19で競り勝った。京産大は、今季かぎりでの退任を表明していた大西健監督の47年の集大成であり、選手たちは奮闘したが3回戦敗退となった。
先制したのは京産大だった。前半1分、ラインアウトからスピーディーに展開し、WTB堀田礼恩がゴール右隅に飛び込んだ。
だが日大は10分、敵陣深くのモールで相手FWを割り、そこをLOテビタ・オトが抜けてトライ。18分にもモールからNO8シオネ・ハラシリが抜け出してパワフルに突進し、追加点を奪った。
京産大は24分、副将のSO山内凌雅がキックチャージし、ボールを拾った主将のLO伊藤鐘平が40メートル以上走り切りチームを活気づけた。
しかし、12-12の同点とされた日大は31分、敵陣22メートルライン付近のスクラムでプレッシャーをかけられたが、SH村上陽平がボールアウトし、CTB齊藤芳徳がギャップを抜けてゴールに持ち込み、勝ち越した。
17-12で後半を迎えた日大は、57分(後半17分)、FB普久原琉がディフェンスを破って駆け抜け、リードを拡大。
京産大は60分、ゴールに迫り、LOアサエリ・ラウシが突っ込んでトライ。コンバージョン成功で5点差に詰めたが、残り時間、日大がリードを守り切り、激闘はノーサイドとなった。
日大は12月21日の準々決勝を花園で迎え、早稲田大(関東大学対抗戦A 2位)と対戦する。
関西学院大(関西大学Aリーグ 3位)は1回戦から勝ち上がってきた朝日大(東海・北陸・中国・四国代表)と東大阪市花園ラグビー場で対戦し、38-19で勝った。
前半2分にWTB本山泰地のトライで先制し、その後、一時同点とされたが、7-7で迎えた27分、関学大はラインアウトからのドライビングモールで勝ち越し。39分にも敵陣深くで攻め、モールで前進したあとボールを動かし、WTB本山が抜けて21-7で折り返した。
後半も先に得点した関学大に対し、朝日大は50分(後半10分)、WTBティモ・スフィアがパワフルランで大きくゲインし、サポートしたFB永野拓也がゴールへ駆け抜け息を吹き返した。身長174センチ、体重80キロと小柄ながら速さと強さを兼ね備え、日本代表の松島幸太朗を目標とする永野は、54分にもCTB又吉恒太のオフロードパスをもらってフィニッシュし、今大会自身8トライ目を獲得。9点差に詰めた。
しかし、しばらくチャレンジャーに押され気味だった関学大だったが、73分にPGで点差を広げ、77分には接点でボールを奪い返したHO内野洋志が決定的なトライを挙げ、ベスト8入りとなった。
関西学院大は21日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる準々決勝で、連覇を狙う明治大(関東大学対抗戦A 1位)に挑む。
花園での3回戦第2試合は、筑波大(関東大学対抗戦A 4位)が同志社大(関西大学Aリーグ 2位)を48-17で下した。
筑波大は序盤、しぶといディフェンスで耐え、前半12分、FB松永貫汰がハーフウェイ中央から突破、蹴ったボールを自ら確保してインゴールに押さえ先制した。16分にはWTB仁熊秀斗が躍動し、連続トライ。
一方、3年ぶりの大学選手権出場となった同志社大は34分、CTB古城隼人からのキックパスをFL堀部直壮が右外でキャッチし、走り込んできたFB原田健司につなぎ、5点を奪い返した。
だが筑波大は38分にSO島田悠平がPGで加点し、17-5で折り返した。
12点ビハインドで後半を迎えた同志社大は、相手の堅守を破るのに苦労したが、40フェイズ重ねて51分(後半11分)、NO8服部綾がインゴールに突っ込み仲間と喜んだ。
しかし筑波大は55分、敵陣22メートルライン内で攻め込み、右外でボールをもらったWTB嶋田修が4人のタックラーを振り切って粘り腰でトライ。60分にはSO島田が連続攻撃をフィニッシュし、72分にも敵陣深くに入って左への展開からWTB仁熊がインゴールに飛び込み勝負あり。筑波大はその後2トライを追加。
同志社大はラストアタックで31フェイズ重ね、WTB山口楓斗がトライを挙げたが、ノーサイドで笑ったのは筑波大だった。
筑波大は秩父宮での準々決勝で、東海大(関東大学リーグ戦1部 1位)と対戦する。
そして、流通経済大は熊谷ラグビー場で、2009年度から17年度にかけて大学選手権9連覇を遂げた元王者の帝京大(今季 関東大学対抗戦A 3位)を43-39で下した。誇り高き赤いジャージーの帝京大が年を越す前にシーズンを終えたのは13季ぶり。
流経大は3季連続のベスト8入りで、12月21日の準々決勝(花園)では関西王者の天理大と対戦する。