ラグビーリパブリック

NTTコムが開幕戦対戦相手、日野を73-12で一蹴

2019.12.08

NTTコムのHOマークス、世界NO1の実力を披露(撮影:見明亨徳)


 トップリーグ(TL)開幕まであと1か月余り。TLチームは、ワールドカップメンバーも参加し練習試合で最終調整を行っている。
 12月7日、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(NTTコム)と日野レッドドルフィンズがNTTコムグラウンドで戦った。両者は1月12日の開幕戦を飾る(秩父宮ラグビー場、11:30KO)。今回の対戦はTL日程決定前に決まっていた。

 氷雨が降るあいにくの空模様、寒さに震えながらも多くの両チームファンが観戦した。
 NTTコムが先発メンバーに今季新加入しチームに合流したばかりの南アフリカ代表HOマルコム・マークス、オーストラリア代表SOクリスチャン・リアリーファノ。さらにNO8は日本代表アマナキ・レレィ・マフィをそろえ勝利への意気込みが現れていた。

 マークスはラインアウトではチームメートとサインを確認しながら確実に投入、スクラムやボールキャリーでも強さを見せる。マフィは好調。力強いランでゲインを切り続けた。リアリーファノも前半難しい位置のトライ後のコンバージョンを決めるなど4本すべてを成功、チームの得点源と期待できる。

NTTコムNO8マフィは強いランでゲインを切る(撮影:見明亨徳)
W杯で見せたキックが健在。NTTコムSOリアリーファノ(撮影:見明亨徳)

 試合は開始早々、NTTコム主将FL金正奎の前頭部に日野NO8ニリ・ラトゥがタックルし退場となった。金は数分、倒れていたが復帰。この反則からNTTコムが先制する。日野もすぐに反撃し7-7と追いついた。しかしそのあとは速いディフェンスの出足からNTTコムが日野の攻撃の芽を摘む。韓国7人制男子を2020東京オリンピックに導いた一人、日野WTB鄭演植(チョン・ヨンシク)。キックを受けようとすると目の前にNTTコムWTB張容興(チャン・ヨンフン)がディフェンスで出現。思わず鄭がノックオンしたボールをつなぎNTTコムが追加点を奪った。張も韓国7人制代表、11月のアジア最終予選決勝・香港戦で劇的なサヨナラトライを奪い優勝をもたらした当事者だ。

 前半、NTTコム28-7で折り返す。後半メンバーを入れ替えると明らかに実力差が出て7T5G45点を加点したNTTコムが73-12と圧勝した。

 金主将、最初のケガが心配されたが「大丈夫です。きょうはいい結果が出た。(マークスらは)もう世界レベル」と開幕前の練習試合初戦勝利に一安心だった。

 大敗の日野。金とは大阪の啓光学園(金は常翔啓光学園)、早大で6年先輩の佐々木隆道、試合出場は無かったが「コムの先発を見て本気を感じた。想定以上にやられてしまった。修正する課題が多く出た」と渋い表情。
 韓国代表の2人は対戦できて「楽しかった」。韓国7人制代表は12月8日からオリンピックに向け第1次の合宿を行う。2人は「まずはTLに専念して7人制へ」という。

韓国7人制代表。日野・鄭(写真左)とNTTコム・張もマッチアップ(撮影:見明亨徳)

 この試合、東京都中野区立北中野中同級生で楕円球を追った3人も同じピッチに立った。NTTコムPR三宮累、日野CTB東郷太朗丸、WTB豊島直哉だ。2007年春に北中野中へ入学。卒業後、三宮は東京高-中大。東郷は常総学院-流経大、豊島も常総学院へ進み東海大へ。「2人ずつ大学などで試合はしたが3人そろって出場は初めて」(東郷)と公式戦での再会を果たしたい。

北中野中同級生3人。写真左から日野・東郷、NTTコム・三宮、日野・豊島(撮影:見明亨徳)
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