宮崎市で合宿中のパナソニック ワイルドナイツは12月2日、今季の主将に日本代表HO坂手淳史が就任したことをSNSで発表した。
坂手はパナソニック加入4年目。日本代表として今回のワールドカップにも出場し、テストキャップは21を数える。機動力、激しいタックルが持ち味で、全国大学選手権を9連覇した帝京大の7連覇時の主将も務めている。
キャプテンの話はワールドカップでの日本代表の活動が終わってほどなく、ロビー・ディーンズ監督と、相馬朋和ヘッドコーチから打診された。
「ちょっと考えたいこともあって、“返事は待ってください”と」
引き受けることに迷いはなかった。ただ、自分がどうチームと関わっていくか、じっくり考える時間が欲しいと思ったからだ。10日ほど自分の中で考え、重責を受諾。12月2日夜、宮崎合宿でのミーティングで就任が発表され、初めてキャプテンとして仲間の前で思いを伝えた。
「僕の気持ちを率直に伝えました。“このチームが好きで、チームに全力を注ぐ。勝つために自分たちで考えて、これから強いパナソニックを作っていこう。そのために僕も一生懸命頑張るから、みんなも力を貸してほしい”と」
チームは昨季6位、2季前は準優勝、2016年度は3位。その前が3連覇だから、この3年は納得できる結果とは呼べない。昨季の6位は、トップリーグ発足2年目の2004年度に7位に終わって以来の低い順位だ。
「去年は難しかった。僕は100%コミットしているつもりでいても、結果を見るとまだまだ。ワールドカップとのはざまで難しいシーズンだった」(坂手)
この2~3年はサンウルブズ(スーパーラグビー参戦の日本チーム)、日本代表に多くの選手がとられ、チームに戻っても休養が最優先。トップリーグに集中する時間も余裕もなかった。今季ようやく全員が揃い、ベストメンバーが選考できる体制が整った。開幕までひと月あまりだが、「時間は短いですけど、土台はこれまでいたメンバーが作ってくれている。それをさらに積み上げる。難しくは考えていません」と新主将は言う。
今シーズンは1~5月までの総当たり方式で王者が決まる。
「このフォーマットが決まってから楽しみでした。もうどこが強いとかでなく、差はなくなってきてる。どの相手に対しても100%を出さないと勝てないと思っています。まずはどのチームも開幕にフォーカスを当てているので、僕たちもそこで、今年のパナソニックがどういうチームなのか見せられるよう頑張っていきたい」
12月3日の合宿2日目も、グラウンドには300名近いファンが詰めかけ、選手たちの一挙一動を熱いまなざしで見守った。2015年度以来の王座奪還を目指すワイルドナイツ。26歳の新しいリーダーを先頭に、常勝チームの輝きを取り戻す。