11月30日、関東大学リーグ戦の最終節が行われ、秩父宮ラグビー場では、優勝を日大と争う全勝の東海大が、大東文化大学(3敗)と戦った。試合は終盤までもつれて、インジャリータイムに入った時点で 東海20-18大東(前半17-15)。そこから1トライ 1ゴールを加えて突き放し、27-18として勝負を決めた。
「日大戦から後は、ずっといい試合ができていない。もっとチャレンジする気持ちが欲しい」
勝った東海大の木村季由監督は、最後まで競り合いに持ち込まれた1戦を、苦々しい顔で振り返った。リーグ再開後は星を重ねながらも中身に納得がいかない。
この日も、東海大は会心のゲームとはいかなかった。開始9分に先制PGを挙げたのは東海大だったが、トライは大東大に先行され、終了得前までは5点差以内の競り合い。前半終了間際にはBKがシンビンとなり、後半も競り合う要因となってしまった。
互いにセットプレー、特にスクラムにプライドを持つチーム同士。その凌ぎ合いは見ごたえがあったが、判定とのあやもあり反則が連発。ターンオーバー後のボールがさらにターンオーバーになることなども続き、中盤が落ち着かない状態が試合の最後まで続いた。
「個人個人のプレーで、大きな綻びができる場面が多かった。もっと精度を上げなければ」と木村監督。
「でなければ、私たちのようなチームは彼ら(対抗戦グループ校)と戦う舞台に立つことさえできない」
東海大の選手たちは真野泰地主将ほか多くのケガ人を抱えベストメンバーではなかったものの、「出ている人間のせいにしている場合ではない」と木村監督。危機感を高めて、コミュニケーションや個々のプレーの精度を改善していくつもりだ。
すでに大学選手権の組み合わせはほぼ見えている。東海大は、準々決勝で対抗戦4位の筑波大と、そして準決勝では、12月1日の早明戦で勝った方と当たる可能性のある山に加わる(*)。
スクラム、モールの強さ、フィジカルなどハード面のたくましさなど安定した強みのある東海大。ケガ人の回復と、もう一皮むけるための成長が、大学日本一に向けた条件となりそうだ。
*準々決勝の対戦可能性に関する記述を改めました