ラグビーリパブリック

鹿児島キャンプを勝利で締めくくる。Honda HEATは「8強より上へ」前進中。

2019.11.30

Honda HEAT。12月にはヤマハ発動機、NTTドコモとのプレシーズンマッチを予定している(撮影:Hiroaki.UENO)


 暖かかった11月29日の鹿児島、ふれあいスポーツランド。赤いジャージーの男たちが円陣を組み、歓喜の声をあげた。
 11月20日から鹿児島でキャンプをおこなっていたHonda HEATは同日、宗像サニックスブルースとプレシーズンマッチを戦い31-12と勝利。10日間にわたる強化の日々を笑顔で締めくくった。

 小林亮太主将は試合を振り返り、「この合宿でやってきたことを出そうと思っていました」と話した。
「セットプレーとチームオーガナイズ。そして、ディフェンスでアグレッシブに。合宿の締めくくりの試合で出し切ろうと思っていたことをしっかりできたと思います」
 一丸となって戦い、結果も残せたから表情も明るかった。このキャンプ中、三菱重工相模原ダイナボアーズ戦も含めてプレシーズンマッチは2戦2勝だった。

 昨季のリーグ総合順位決定トーナメントで勝利を重ね、チーム史上最高位の9位となった。いい形でシーズンを終えたHEATは、さらなる上昇をにらんでいる。
「今季は絶対にベスト8以上に。そのためには、プレッシャーのかかる中で、どれだけ精度高く、自分たちのやりたいプレーをやれるかが大事だと思っています」
 キャプテンの言葉には決意がにじんだ。

 宗像サニックス戦では、三菱重工相模原戦で出た課題を修正しようと臨み、それが実行できた。積極的に仕掛け、攻守の切り替えも集中力が高かった。
 攻め込まれても相手に圧力をかけつづけてミスを誘うなど、公式戦さながらのセレクションを経て選ばれた出場選手たちが、組織の中で個々をアピールした。
 だから試合後の円陣が盛り上がった。

 ワールドカップではチームメートのPR具智元、WTBレメキ ロマノ ラヴァ(ともに日本代表)、RG・スナイマン(南アフリカ代表)らが活躍し、その勇姿はチームに「大きな刺激を与えた」と主将は振り返る。
「世界レベルの、もの凄いプレッシャーの中で自分たちの仲間がプレーし、活躍していた。あれこそ、僕らが目指しているもの。彼らの経験もチームの勢いにして、今シーズンは自分たちのやりたいラグビーをやり切るつもりです」

 開幕まで1か月ちょっと。この日はワールドカップの疲れをとるために充電中のレメキもグラウンドに駆けつけ、大勢のファンに囲まれていた。
 この熱狂をチームのエネルギーに。HEATは、鹿児島で得た力をさらに大きくし続けて開幕を迎えるつもりだ。

バックラインにボールを出すHonda HEATのSH山路健太(撮影:Hiroaki.UENO)
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