11月29日、東京・丸ビルに、ワールドカップを戦った3人が顔を揃えた。今季、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスに加入した南アフリカ代表HOマルコム・マークス、オーストラリア代表SOクリスチャン・リアリーファノの2人に、かねてから所属している日本代表NO8アマナキ・レレィ・マフィ。会見には、チームが提携を結んだリヨン(フランス)でプレーしていたWTB山田章仁も出席した。
会見はそれぞれの選手の質疑応答形式で進行。マフィは、「前回は終わってすぐ試合だったけど、今回は初めて1か月休めて、家のベッドで8時間寝れた」と、ワールドカップが終わってからの日々を振り返った。今大会で日本代表は初めて8強入りしたが、「周りの人がすごく喜んでくれた。これから優勝目指して頑張る。4年後も頑張っていきたい」と、早くも2023年大会を目指す宣言。「死ぬほど練習してベスト8。どういう練習をすれば優勝できるのか、マルコム・マークスに聞いたら分かる」と、チームメートに問いを投げた。
マークスは「もちろんきつい練習はしたが、日本よりいい内容だったり、ハードだったわけではない。どれだけ一つのゴールに向かってまとまれたかだと思う」と、あらためてスプリングボクスの結束を勝因に挙げた。来日してチームに合流後、2回練習をこなしたが、「みんなフィットネスがあるのに驚いた。フィールドを広く使ったラグビーで、南アフリカとは違うスタイル。そこに順応することが自分のプレーの幅を広げることになる」と、新たな挑戦にも意欲を見せた。
ワラビーズの司令塔として活躍したリアリーファノは、昨季は豊田自動織機に所属。「コムは昨季も対戦したが、いいチームだった」と語り、今季も日本を選んだ理由を「日本のラグビーが急成長しているから。ラグビーをやりたい子どもたちも増え、そういった動きに貢献できれば」と、抱負を語った。
チームとパートナーシップを提携したフランスのLOUラグビークラブ(リヨン)でプレーしていた山田も同席。「フランスは、スポーツが文化として根付いていて、楽しみ方を分かっている。4年後も盛り上がるのは間違いない」。本人も「日本でラグビーをやる限り最高峰は日本代表。チャレンジしていくが、まずチームで優勝したい」とトップリーグでの優勝を目標に据えた。
トップリーグの開幕は1月12日、NTTコムは秩父宮で日野レッドドルフィンズと対戦する。マフィは「リアリーファノはワールドクラスのゲームコントロール、マルコムはセットピースとブレイクダウン(に強さ)を持ってる。相手で試合するのはめっちゃいやだけど、同じチームはありがたい。最後に山田さんがトライ(笑)」。
チームは2010年度にトップリーグに昇格後、昨シーズンは過去最高タイの5位で終えた。年明けに始まる新しいシーズン、マフィの台詞が現実になれば、それも上回りそうだ。