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韓国が夢の五輪出場権獲得! 準決勝、決勝と延長の激闘制し歓喜! 香港と中国は世界最終予選へ

2019.11.24

夢をつかんだ男子7人制韓国代表(撮影:見明亨徳)


 東京オリンピック出場をかけたラグビー競技(7人制)のアジア地区・男子最終予選2日日が11月24日、韓国・仁川市(南洞アジアドラグビー場)でおこなわれ、韓国代表が激闘を制して初のオリンピック出場を決めた。決勝は延長の末、香港代表を12-7で下した。

 プール戦を経て8強が臨んだ準々決勝は、韓国がマレーシア相手に32-7で快勝し、中国がシンガポールを50-5と圧倒、フィリピンがスリランカに24-17で競り勝ち、優勝候補と見られていた香港がアフガニスタンの挑戦を38-0で退け、ベスト4入りした。

 準決勝第1試合、韓国×中国は激戦だった。韓国は試合終了間際に同点に追いつき、延長の末、サドンデストライを決めて12-7で制した。
 両者お互いの特長を活かした。韓国は中国の身体能力が高い選手のアタックを止め続けた。中国がゴールまで迫ってもあきらめず戻り続けた。
 しかし前半終了間際、韓国が自陣のラインアウトをミスし、中国へボールを渡す。中国はパスをつなぎ、9番がポスト左へトライラインを越えた。コンバージョンキックも成功し、0-7で折り返す。
 後半も中国が韓国陣で攻める展開。韓国は4分すぎにようやく敵陣へ入るも、ミスし、機会を逸していた。
 だが残り1分、今度は中国が自陣22メートルでノックオンし、韓国ボール、中央付近のスクラムとなる。最後の攻めに会場から「テハンミング」が埋める。右へ回す。今大会、再生した前NTTドコモの張成民(チャン・ソンミン)が右ライン際で中国ディフェンスをかわし、インゴールへ。歓喜のダイブで5点を奪う。そしてポスト正面のコンバージョンキックをアンドレが決めて、7-7で振り出しにした。
 激闘は延長サドンデスに突入。中国のキックオフを韓国が確保し、自陣で回すうちに相手が反則を犯す。2度目の反則を得るとボールはソンミンへ。ゴール前までゲインしラックを作る。このボールを、昨日スリランカから4トライ奪った張ジョンミンがインゴール右中間へ運び、韓国が決勝進出を決めた。

 準決勝第2試合の香港×フィリピンも、試合開始当初はフィリピンのディフェンスに香港が苦しんだ。
 前半4分、香港が敵陣の右ラインアウトから攻め続ける。フィリピンがブレークダウンでしつようにからむも香港がつなぐ。右から左へ。左中間へ先制した。その後、相手の反則によりペナルティトライでリードを広げた香港は、後半、確実にチャンスを得点に結びつけ、26-0で勝ち上がった。

 そして、東京オリンピック出場をかけた韓国×香港の決勝戦。
 前半から互いに譲らない展開が続いた。
 4分、韓国が自陣22メートルでノットリリースの反則を犯す。香港はこのチャンスを逃さなかった。ジェミー・フードがポスト右へ仕留め、先制。コンバージョンキックも決まり、香港が7点リードした。
 前半終了間際、韓国は日野所属の鄭演植(チョン・ヨンシク)が右ライン際を快走も、トライ目前でタックルを受け、タッチラインを越えてノートライに。
 後半、やや韓国にとり重苦しい雰囲気が。しかし、香港がゴール前に迫るもブレークダウンでしのぎ、ピンチを脱出した。そして4分すぎ、韓国はボールをつなぎ、香港陣内10メートルで受けた主将、朴ワンヨンがステップを切り中央へトライ。自らゴールキックを決めて7-7にした。
 お互い譲らず、韓国にとっては準決勝に続き5分間のサドンデスへ。香港が攻める、韓国が守る。そして、ようやくボールを手にした韓国、NTTコミュニケーションに今季加入した張容興(チャン・ヨンフン)に渡った。ヨンシクとともに韋駄天コンビと呼ばれる男は見事に走り切り、インゴール右中間へトライ。東京オリンピック切符獲得を決めた。

五輪切符を決めた張容興のトライ(撮影:見明亨徳)

 「トライを取れたのはたまたまです。オリンピックに行きたい。日本と戦いたい」と殊勲の張容興。朴主将は「選手全員が東京オリンピックに行きたい気持ちを持って練習、努力した」と笑顔だ。
 長く韓国ラグビー低迷期を知る徐天吾(ソ・チョンオ)監督は涙。「選手たちがよくやってくれた」。チームを支えたのはホンダのSHとして活躍した梁永勲(ヤン・ヨンフン)コーチ。今回、流経大からチャールズ・ロウ氏を臨時コーチに迎え、最先端のセブンズ理論を頭と体に覚え込ませた。2人のコーチも涙。梁コーチは「これからの準備が大事です。来年までにセブンズ代表を鍛える時間を作るように協会と話していかないと」と話した。

3位の中国は世界最終予選へ(撮影:見明亨徳)

 3位決定戦は中国とフィリピンが争い、中国が残り1分、2点ビハインドからトライを奪い、19-14で逆転勝ちした。中国は香港とともに、残り1枠の出場を争う世界最終予選(2020年6月に開催)に参加することになった。

 東京オリンピックの男子7人制ラグビーは、全12枠のうち11チームが決定。
 アジア予選を制した韓国のほか、開催国の日本、ワールドラグビーセブンズシリーズ2018-2019のトップ4だったフィジー、アメリカ、ニュージーランド、南アフリカも出場を決め、各地域予選を通じてアルゼンチン(南米)、カナダ(北米)、イギリス(欧州)、オーストラリア(オセアニア)、ケニア(アフリカ)も切符をつかんでいる。

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