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帝京戦は、慶應の誇りをかけて

2019.11.24
ディフェンスで意地を見せた慶大。攻撃では取りきれない場面も(撮影:髙塩 隆)

ディフェンスで意地を見せた慶大。攻撃では取りきれない場面も(撮影:髙塩 隆)

 11月23日、関東大学対抗戦・早慶戦が秩父宮ラグビー場で行われ、早稲田が17-10で慶應を下した。早稲田は対抗戦全勝で12月1日の早明戦に臨む。慶應は、これで4敗となり、大学選手権出場が極めて難しくなった。

 慶應は帝京大との対抗戦最終戦を残しているが、すでに4敗(筑波、日体、明治、早稲田に黒星)を喫し、大学選手権出場の4枠に入る可能性は低くなった。24日の筑波大vs日体大が、引き分けになった場合のみ、次節に出場可能性が残る。

 *関東大学対抗戦の順位扱い決定の決まりはこちら(関東ラグビー協会

 慶應は1997年度の不出場(対抗戦7位)を最後に、大学選手権連続出場を果たしてきた。今年は最終戦の帝京大に勝ったとしても、出場は極めて難しい状況だ。しかし、部員は帝京戦に向けて士気を高めている。

 明治戦を落としてからの2週間、慶應は「自分達らしさを取り戻すこと」をテーマに掲げた。栗原由太主将は、慶應らしさを示すプレーとしてタックルを挙げた。

「自分たちは早稲田に比べて体も大きくない。自分たちらしい、低いタックルを意識してきた。自分の持ち味を突き詰める」(栗原主将)

 今季就任の栗原徹ヘッドコーチは、選手たちの戦いぶりを称えた。
「今週は、学生たちと一つになって準備してきた。成果は試合に出せたし、その上で7点届かなかったということ。選手はよくやってくれた」

 大学選手権出場のサバイバルには、次の帝京大戦に勝つことが条件。それも、24日に行われる日体大vs筑波大が引き分けになった瞬間に、慶應の出場は消える。

 今季は、他校と比べてチーム作りで後れをとった感がある。慶應は開幕の青学大戦を35-3でさらった。ノートライに押さえながらも局面では苦しみ、思ったような試合はできなかった。筑波に終了間際の逆転負け、日体大には11年ぶりに敗北を喫し、明治には大敗。早慶戦前にすでに3敗を喫してしまっていた。

 慶應PRの大山祥平が言う。チームは、選手権出場とは別に帝京戦に対するモチベーションを燃やしている。

「昨年の4年生が多く抜けたメンバーになったのは事実。それでも、だから今年の慶應は弱かった、とは言わせない。帝京戦は、慶應の存在意義をかけて戦います」

 栗原由太主将も、この早慶戦を糧に前進あるのみと考えている。
「プレーする中で手応えを感じた。1年間積み重ねてきた中でも、今日は一番やり切った試合と感じています」

 帝京との対抗戦最終戦は一週間後の11月30日、秩父宮ラグビー場で11時30分にキックオフする。