東京五輪ラグビー競技(7人制)の出場を目指すアジア地区の男子最終予選が11月23日、韓国・仁川市で開幕した。9つの国・地域が参加。初日は3プールに分かれて各総当たり戦をおこなった。
各プールの1位は、Aが優勝候補筆頭の香港。Bが中国、Cは韓国がスリランカを下し1位となった。そのほか、各2位チームと、3位のうち上位2チームが8強入りし、明日の決勝トーナメントに進んだ。
プールAは、香港が初戦でマレーシアから8トライを挙げ54-0と圧倒すると、続くチャイニーズタイペイ(以下・中華台北)戦も52-0と連続完封し、1位通過を決めた。
格下相手に、キックオフやトライ後のリスタートでボールをほぼ確保して得点につなげた香港。ポール・ジョン ヘッドコーチは大勝にも「明日の相手は簡単ではない」と気を引き締めていた。
プールBは、中国がシンガポールを33-12、フィリピンを26-15で下し、勝ち上がった。
身長が高く体も強靭な選手たちが、相手ディフェンスを跳ね飛ばしゴールへ進んだ。しかし2戦目のフィリピンが強いタックルを見せると止まる場面も。個人頼みからチームがシステムで抜くことができるかが2日目のポイントだ。
地元の韓国は、朝9時30分の開幕戦をアフガニスタンと戦った。前半2分にNTTコムの張容興(チャン・ヨンフン)が敵反則からつないだボールを受けて左中間インゴールへ運んだ。
3分後には前NTTドコモの張成民(チャン・ソンミン)もゴール前、PKから主将・朴ワンヨンがタップしたボールをもらいトライを奪った。張成民は、今年の春先は不摂生で120キロ近くあった。しかし身体を絞り込み107キロへ戻した。かつて15人制で日本代表相手にボールキャリーで突破してきた昔に近づく動きだ。
韓国は2試合目、「スリランカはボールを持たせるとアタックが早い。最初のタックルで止める」と梁永勲(ヤン・ヨンフン)コーチが明かすゲームプランを実践した。今季、未勝利の相手に8トライの猛攻で44-7と退けた。
日野所属の鄭演植(チョン・ヨンシク)が執拗にからんだ。ターンオーバーを相次いで見せた。前半最後のトライも相手ゴール前で張容興と張ジョンミンがダブルタックル、容興が奪ったボールをジョンミンが置いたものだ。ジョンミンは後半も開始30秒から2連続で仕留めて試合を決定づけた。
梁コーチは「ソンミンが最初に勢いづけてくれた。すべてが良かった」とほほ笑んだ。
準々決勝の組み合わせは、韓国×マレーシア(A2位)、中国×シンガポール(B3位、全体7位)、プール2位同士のフィリピン×スリランカ。香港は、プレーオフで中華台北を35-12で下したアフガニスタンと戦う。