東京オリンピック・7人制ラグビー競技(セブンズ)の出場権をかけたアジア地区の男子最終予選が11月23~24日、韓国・仁川市で開催される。
前日の22日、午前中に地元の韓国代表は試合会場で1時間、汗を流した。
練習を仕切っていたのは、臨時で招かれた流通経済大のチャールズ・ロウ コーチだ。
選手たちにパスの方法、ブレークダウンへの入り方を7人制の理論を踏まえて教えていた。
今回、ロウ氏が韓国を指導するのは、流経大が韓国軍体育部隊(尚武)と2015年にスポーツ協力協定を結んでいることがつながった。
韓国代表監督は尚武監督の徐天吾(ソ・チョンオ)氏であり、流経大の内山達二監督とも連絡を取りあっている。「チャールズさんにはディフェンス、アタックすべてをお願いしました。最新のセブンズ理論を韓国代表に取り入れていく契機に」と期待する。
ロウ氏は最初、戸惑った。
「韓国代表選手はラグビーへの理解はあるがセブンズの先端はまだ分かっていない」
10月26日に来日し、5日間指導、11月は最初に1週間、そして大会前に教えている。
1日3回、韓国選手にとっては初めての経験でもあるミーティングをおこない、頭の中を変えている。
「たぶん最初、混乱したと思うが、理解力はあるので身についてきた」(ロウ氏)。
主将の朴ワンヨンも「頭を使っています」と前向きにとらえる。
韓国は伝統的に個の力を活かしたラグビーをセブンズでもとってきた。それをシステムを前提に、どういうパスをするか? サポートを考えてアタックするか? など、この日も練習で確認していた。
韓国は初日のプール戦(C組)で、アジアシリーズでは負けこしたスリランカとあたる。負けてプールC2位になれば、準々決勝に勝っても4強で相手は香港となる。
その優勝候補筆頭の香港は、補助グラウンドで練習した。
こちらは2チームに分かれ、強度を保ちつつアタック、ディフェンスの確認を繰り返した。
ヘッドコーチのポール・ジョン氏が細かな指示をおこなっていた。
ジョン氏は「東京オリンピックに出場できる大会。香港にとって大きなチャンスになる」とコメント。ライバルについて「中国、韓国は大変いいラグビーをしている。フィリピン、スリランカも警戒している」とし、気を引き締めていた。
ジョン氏は中国を特に気にしない様子だったが、練習には複数の香港メディアが駆けつけていた。香港の旗を取材機材につけている取材陣も。
香港はプールAで1位になると、準々決勝は全体8位通過のチームと対戦する。