パッションと感謝の交歓は続く。
その絆は楕円球の祭典が終わった後も変わらない。
ウエールズと北九州市の関係だ。
熱狂の中で11月2日に幕を閉じたラグビーワールドカップ。ウエールズ代表がキャンブ地として滞在した北九州市は公開練習に1万5000人の市民が訪れ、ウエールズの歌を披露するなど、熱烈に同代表を歓迎した。
同市は大会の随分前から交流事業を推進してきた。その結果が、チームと市民、両者の幸せに結びついた。
良好な関係を築いた日本での日々への感謝の思いは、11月2日、形になった。同日朝刊に、ウエールズラグビー協会からの北九州市民へ向けた新聞広告(毎日新聞/西部本社)が掲載されたのだ。そのことは広く報じられ、ご存知の方も多いだろう。
北九州市民だけでなく、同市出身者など、幅広い人々が、「北九州市民であることを誇りに思う」などと喜んだ。多くの人たちのシビックプライドが刺激された。
物語は、それで終わりではなかった。
11月7日には、北九州市はウエールズの有力紙『Western Mail』の朝刊に、感謝の気持ちを伝える全面広告を掲載したのだ。それは、同市がウエールズとの絆をより強固なものにするための意志表示だ。
それぞれが感謝の思いを込めて投げたパスは一往復した。この先も、何度も行き来するだろう。