ラグビーワールドカップ2019の興奮冷めやらぬ11月3日、ワールドラグビーの年間表彰式が11月3日にザ・プリンスパークタワー東京でおこなわれ、年間最優秀選手賞(男子)には南アフリカ代表のワールドカップ優勝に貢献したピーターステフ・デュトイが選ばれた。
南ア人の同賞受賞は2004年のスカルク・バーガー、2007年のブライアン・ハバナに続いて3人目。
27歳のデュトイは身長2メートル、体重115キロの大型フランカー。キャリアの初期はロックとしてもプレーしていたが、3列での役割を期待され、運動量の多さと多彩なプレーが光り、リーダーのひとりとしても南ア代表をけん引した。
この賞にはほかに、トム・カリー(イングランド)、アランウィン・ジョーンズ(ウェールズ)、チェズリン・コルビ(南アフリカ)、アーディー・サヴェア(ニュージーランド)、ジョー・タウフェテエ(アメリカ)もノミネートされていた。
年間最優秀女子選手賞は、女子シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で全勝優勝を果たしたイングランド代表の中心選手、エミリー・スカーラットが選ばれた。
今年は7人制から15人制に復帰し、ブランクを感じさせない活躍。身長180センチを超える大型センターのスカーラットは、ボールのキープ力に長け、自ら相手ディフェンスの穴を見つけて突進、あるいは巧みにチームメートをスペースに送りだすなどしてチームに大きく貢献した。現在29歳、2021年にニュージーランドで開催される女子のワールドカップも見据える。
そして、代表デビュー後1年未満の選手が対象となるブレイクスルー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀新人賞)は、フランス代表のロマン・ンタマックが受賞した。
20歳で、今回のワールドカップではフランス代表の最年少メンバーだったにもかかわらず、ピッチでは冷静だった。2月のウェールズ戦でデビューしたときはCTBだったが、ワールドカップでは準々決勝を含む3試合で背番号10をつけた。4年後に自国フランスで開催される大舞台ではエースとして期待されることになるだろう。彼のアタックに対する鋭い嗅覚とトライを目指す欲求は、元スター選手だった父エミールから継承している。
男子の最優秀セブンズ選手賞は、ワールドラグビーセブンズシリーズで3季ぶりに総合優勝を果たしたフィジーから、ジェリー・トゥワイが選ばれた。
2017年から3年連続でノミネートされ、ついに初受賞。身長170センチ、体重81キロと小柄だが、そのサイズを最大限に活用し、ビジョンと鋭いステップ、スピードで、仲間の得点を演出し自らもトライゲッターとなる、フィジーのハートビートだ。
女子の最優秀セブンズ選手賞は、ワールドラグビー女子セブンズシリーズで頂点に立ったニュージーランドのルビー・トゥイが受賞した。
パワフルなランナーであり、ブレイクダウンでも激しい疲れ知らずのハードワーカー。フィジカルが強く、彼女のパフォーマンスは仲間を鼓舞する。来年、東京オリンピックでも活躍が期待される27歳。
最優秀レフリー賞は、イングランドのウェイン・バーンズに贈られた。
40歳の彼は最も経験豊富なレフリーのひとりで、笛を吹いたワールドカップの3位決定戦がテストマッチ担当90試合目だった。フィールドでの優れたコミュニケーターであり、弁護士の顔も持つバーンズは、国際レフリー歴13年。
そして、トライ・オブ・ザ・イヤー賞は、ニュージーランドのTJ・ペレナラがワールドカップのナミビア戦でフィニッシュした見事なチームトライが選ばれた。