ラグビーリパブリック

南半球か北半球か。日本でのワールドカップを制するのは?

2019.10.31

日本を良く知るエディー・ジョーンズ監督が、地の利を生かすのか?(Photo: Getty Images)


 11月2日、土曜日に迫ったワールドカップ決勝。初めて、アジアで、日本で開催されているラグビーワールドカップを制するのは、北半球のイングランドか、それとも南半球の南アフリカか?

 これまで8回のワールドカップは、北半球で4回、南半球で4回、開催されてきた。優勝回数で見ると、南半球の国が7回、北半球の国は1回と大きく差がある。南半球のニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3か国の強さが際立っていて、北半球のイングランドが優勝したのはオーストラリアで開催された第5回大会のみ。

<過去のラグビーラグビーワールドカップ優勝国>
■第1回 1987年 優勝:ニュージーランド(開催地:オーストラリア、ニュージーランド)
■第2回 1991年 優勝:オーストラリア(開催地:イングランド ほか)
■第3回 1995年 優勝:南アフリカ(開催地:南アフリカ)
■第4回 1999年 優勝:オーストラリア(開催地:ウェールズ ほか)
■第5回 2003年 優勝:イングランド(開催地:オーストラリア)
■第6回 2007年 優勝:南アフリカ(開催地:フランス ほか)
■第7回 2011年 優勝:ニュージーランド(開催地:ニュージーランド)
■第8回 2015年 優勝:ニュージーランド(開催地:イングランド)

 今大会が始まる前の優勝国予想ではニュージーランドの3連覇を予想する声が多かったが、準決勝でイングランドがニュージーランドを破って決勝に進出した。そのため、イングランドが優勢ではないかという声が多い。しかし、海外の優勝オッズをまとめているoddscheckerでは両者に大きな差はない。10月31日朝の時点では、イングランドがやや優勢で53%、南アフリカの優勝も47%。ファンの予想は、ほぼ五分五分の状態といっていい。

 イングランドを率いるエディー・ジョーンズ監督は、日本でのワールドカップについて、「北半球か南半球のどちらが有利なのかという質問について答えるのはとても難しい。これまでにやったことがない国でのワールドカップは、台風もあったし、湿気でボールが滑った。屋根があるスタジアムでも試合をした」と、どの国にとっても難しい大会だったと語った。

 一方の南アフリカのラシー・エラスマス監督は、「南半球のチームとして、もちろん勝つ準備はできている。ただ、イングランドも同じ。中立国で戦う決勝を楽しみにしている」と、どちらにとっても大きな一戦であることを主張した。

 11月2日、キックオフとなる18時頃の横浜の天気予報は、晴れ、気温18度。エディー・ジョーンズ監督は、「とても素晴らしい環境で試合ができると思う。とてもやりやすいと思う。日本でのワールドカップは、これまでで一番、楽しいワールドカップだった。土曜日の決勝を楽しみにしています」と満面の笑みを見せた。

 果たして、北半球のアジアで開催されているラグビーワールドカップは、どちらの国が優勝するのか。今後のワールドカップの歴史に残る一戦の結果を楽しみに待ちたい。

(文:柳澤壮人)

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