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オールブラックスのプライド示す! リード主将ら引退のベテランたち3位決定戦出場

2019.10.31

準決勝敗退から数日経ち、明るい表情で会見に臨んだNZのキアラン・リード主将(Photo: Getty Images)


 ラグビーワールドカップ3連覇の夢は絶たれたニュージーランド代表だが、オールブラックスのプライドにかけて、負けたまま日本を去るわけにはいかない。次が指揮官として最後の試合となるスティーヴ・ハンセン ヘッドコーチは、ファイナルの舞台にも相応しいような豪華メンバーを3位決定戦に臨ませる。誇り高き黒衣を着てのラストゲームになりそうな偉大なベテランたちをリストに並べた。

 今大会後、ニュージーランドでのキャリアを終えて日本やフランスのクラブに加入することが決まっている選手たち、NO8キアラン・リード(34歳/トヨタ自動車)、CTBライアン・クロッティ(31歳/クボタ)、FBベン・スミス(33歳/ポー)、FLマット・トッド(31歳/東芝)にとっては代表引退試合となり、ラグビーリーグ(13人制)への復帰が噂されているCTBソニービル・ウィリアムズ(34歳)もオールブラックスでのラストプレーになる可能性が高い。故障明けのトッドはベンチスタートで、それ以外の4人は先発する。

最後のCTBコンビとなるライアン・クロッティ(写真12番)とソニービル・ウィリアムズ(Photo: Getty Images)
準決勝はウォーターボーイを務めていたベン・スミス(Photo: Getty Images)
準々決勝で肩を痛め準決勝はプレーできなかったマット・トッド(Photo: Getty Images)

 テストマッチ127キャップ目、オールブラックス主将として歴代2位の52試合目となるリードは、最後の試合を前に、「すばらしい仲間とともに試合を楽しみたい。(代表引退の)心構えはできている。潮時だ。このジャージーにすべてをかけたが、他の誰かに譲るべき時がきた。たぶん、つらいだろう。何年も(代表として)戦い続けてきたのだから。だが体が『これはそんなに長くできるもんじゃない』と言っている。(代表として戦えて)楽しかったし光栄だった」と話した。

 そして、ハンセン ヘッドコーチはオールブラックスでの最後の指揮になることについて感想を訊かれ、「後悔するような試合にはしたくない。だが私個人の事情は重要ではない。大事なのはチームだ。オールブラックスにとってとても重要な試合になる。(モチベーションは)いろいろあるが、まずは敗戦から立ち直ること。また、ウェールズとは(66年間負けていない)歴史がある。それをキープすること」とコメント。準決勝で敗れ、チームは傷つき痛みを感じているようだが、「しかし、それをいい方向に生かさなければ。2007年(フランス代表に負け準々決勝で敗退)のおかげで、その後のワールドカップ2連覇が実現した。敗戦のつらさを、身をもって経験した結果だ」と語った。

 3位決定戦は望んでいた試合ではないが、オールブラックスの新しい未来へつながる第一歩となる。

<RWC2019 3位決定戦 ニュージーランド代表 試合登録メンバー>

1.ジョー・ムーディー  2.デイン・コールズ  3.ネポ・ラウララ  4.ブロディー・レタリック  5.スコット・バレット  6.シャノン・フリゼル  7.サム・ケイン  8.キアラン・リード(主将)  9.アーロン・スミス  10.リッチー・モウンガ  11.リーコ・イオアネ  12.ソニービル・ウィリアムズ  13.ライアン・クロッティ  14.ベン・スミス  15.ボーデン・バレット

〔リザーブ〕
16.リアム・コルトマン  17.アトゥ・モリ 18.アンガス・タアヴァオ  19.パトリック・トゥイプロトゥ  20.マット・トッド  21.ブラッド・ウェバー  22.アントン・レイナートブラウン  23.ジョーディー・バレット

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