ラグビーリパブリック

都狛江が初4強入り、準決勝は早実と。都青山も第2地区で準決勝進出。全国高校大会東京都予選

2019.10.28

狛江FB金子が声援を受けトライへ(撮影:見明亨徳)


 2019年度全国高校ラグビー大会の東京都予選準々決勝が10月27日におこなわれた。
 第1地区の都狛江は、小気味よいアタックを見せ、成蹊高を29-12(前半22-7)で破り初の4強入りを果たした。2大会連続の花園出場を目指す早稲田実業高等部も難敵、東京朝鮮高を15-7(前半15-0)と接戦を制し準決勝へ。11月3日、江戸川陸上競技場での第1試合(午前10時)で両校は対戦する。
 準決勝のほか3試合は以下の組合せとなった。第1地区:東京高×目黒学院、第2地区:本郷高×明大中野高、國學院久我山高×都青山高。

『昨年、早実に閉ざされた道をリベンジしたい』

 狛江はいきなり前半2分、左WTB奥柊太が左隅インゴールへ飛び込み先制した。しかし新人戦、春季の両都大会で8強入りしている成蹊がすぐに反撃し、3分後、狛江陣内でのラインアウトからチャンスをつかむと中央へトライ、コンバージョンも決めて5-7と逆転した。
 試合中盤はお互いに攻守で競り合った。20分、狛江が右ラインアウトを得るとモールで進む。順目に回し左中間へ逆転のファイブポイントを奪う。狛江は積極的にパスでつなぐランニングラグビーを見せる。23分、29分と連続でインゴールを陥れた。前半を22-7で折り返す。

成蹊はFL関根武が5点を返した(撮影:見明亨徳)

「試合前の分析で、成蹊はラックからクイックの球出しでアタックをしてくる。そこを潰す準備を1週間してきました」(NO8浦田尚弘主将)
 実現したのが後半6分のトライ。狛江のキックオフ後、成蹊陣ラインアウトからしつこくゴールラインまで迫った。直前でノックオンし機会を逸した。成蹊は自陣スクラムから進むと狛江ゴール前へ。ブレークダウン、狛江がボールを奪った。すぐにパスを回すとFB金子楽へ。金子は約70メートルを走り中央インゴールへしとめた。
 トライ後、成蹊は「焦るな」と声を掛け合うもゴールは遠い。1トライ返したが残り10分間、狛江はディフェンスを続けベスト4を勝ち取った。

 55人(マネージャー含む)のラグビー部員を率いる浦田は話す。「去年の都大会(2回戦、10月14日)で早実に負けたことが(0-48)、今年の一歩になっている。悔しい思いをした2年生が3年生になってチームを引っ張っています」

 就任6年目、坂本竜太監督(立大OB)は「ディフェンスが前に出続けた結果です。大外WTB2人にまわればトライを奪えるチームなので。都立高の頑張りを見せたい」。

 準決勝の早実戦、「相手を分析し、1週間かけて強みを消す練習をします。初めての江戸陸(上競技場)です。思い切ってぶつかる。応援してくれるみんなと一緒に」(浦田)。リベンジで、ジャイアントキリングを狙う。

初の準決勝進出。笑顔の狛江部員(撮影:見明亨徳)

『早実、前半リードで東京朝鮮高に勝利』

 早実は前半から試合を支配した。開始30秒、ブレークダウンを制し東京朝高のノットリリースの反則。PGをSO守屋大誠が狙うもここは外した。12分、朝高陣の早実左ラインアウト。順目にしかけるとアウトサイドCTB松下慶伍が先制のトライを右中間へ決めた。

早実CTB松下、先制トライを奪う(撮影:見明亨徳)

「敗因はラインアウト。敵陣でも自陣でもマイボールなどをミスした」と朝高首脳陣が話した。次の得点にも絡んだ。
 22分、朝高ゴール前5メートルの朝高ボールのラインアウト。早実がターンオーバー。ゴールラインまで押し込む。ラックサイドをフォワードが突き続ける。最後は主将、細川大斗の得点になった。とどめは30分、守屋のドロップゴールで15-0とした。
 後半は、朝高がしかけて1トライを返すも、15-7で終了。

モールで攻めるも東京朝高は及ばず(撮影:見明亨徳)

 大谷寛ヘッドコーチは「前半はよかった。後半、自陣からでもトライを取れる機会があったけれど取り切れなかった。そこが課題」。
 大谷HCに話を聞いていると目の前で狛江が先制トライを奪う。「いいラグビーですね」。準決勝がおもしろくなった。

 準々決勝、他の6試合は次の結果となった。
 第1地区では2大会ぶり花園を狙う目黒学院が33-7で保善高に勝利。3大会ぶりの東京高は110-0で桐朋高を圧倒した。第2地区は、2大会連続がかかる本郷高が都石神井を50-0で下した。3大会ぶりの明大中野高は45-12で都府中西に勝利。都青山は66-7で大東大一高に大勝した。2大会ぶりの全国を目指す國學院久我山高は77-14で明大中野八王子高を退けた。

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