ラグビーリパブリック

レインボーネーションを再び一つに… 南ア、12年ぶりの決勝進出狙う

2019.10.27

体を張ってスプリングボックスをけん引するシヤ・コリシ主将(Photo: Getty Images)


「2007年のワールドカップの時には僕も物心ついていて、(優勝が)国に何をもたらしたのか覚えている。今回も同じことをしたい」
 多くの民族が混在し、公用語として11言語が使われ、『レインボーネーション』と呼ばれる南アフリカ。そのラグビー代表チームである“スプリングボックス”を率いる黒人初の主将、シヤ・コリシは重責を背負っている。そして、目標を成し遂げようとする思いも強い。
「チームにもいろいろな民族の選手がいる。そのチームで勝つということは国にとってとても重要だ。チームとして1つのゴールを目指すとき、どんなことでも起こりうる。どんな目標や夢も達成できる。我々が成功することによって、そういうことを証明できる。だからこそ試合ではみんな全力を尽くす。もし決勝に進めれば、国にとっても、ものすごく大きなことだ」

 10月27日、スプリングボックスは横浜国際総合競技場でウェールズ代表とラグビーワールドカップ2019日本大会の準決勝を戦う。勝てば12年ぶり3度目の優勝に王手をかける。

 準々決勝では日本代表を圧倒。ノーサイドとなり、日本の選手やファンからもらったエールは南ア代表の力になった。
「驚くほどたくさんの人が応援してくれている。先週は、開催国との対戦で厳しい状況だったが、観客の応援はすばらしかった。ホームチームかそうでないかに関わらず敬意を示して応援してくれた。いいプレーをすれば、日本のファンは僕らのプレーにも拍手を送ってくれた。キックの時にブーイングをすることもなかったし、(南アを)尊重してくれた」
 コリシ主将はそう振り返る。そして南アフリカの国民にも思いをはせた。
「日本に来てくれたファンの応援も大きな力になった。そして、日本に来たくても来られなかった人たちもたくさんいる。みんなの応援がなければ戦い続けるのは難しかっただろう。我々は南アのためにプレーしている。応援ありがとう。引き続き応援してほしい」

 対戦相手のウェールズについてコリシ主将は、「テクニカルで組織的。キックも多用するからフォワードがカギとなるチーム」と見る。だがそれは南アが得意とする部分でもある。「我々も同じような戦い方に自信を持っている。そこのぶつかり合いになるだろう。とにかくボールを(蹴って)前に出すつもり。相手も同じようにしてくるはずだ」
 最善の準備はしてきた。
「自分たちの強みをしっかり出したい」

<RWC2019 準決勝 南アフリカ代表 試合登録メンバー>

1.テンダイ・ムタワリラ  2.ボンギ・ンボナンビ  3.フランス・マルハーバ  4.エベン・エツベス  5.ルード・デヤハー  6.シヤ・コリシ(主将)  7.ピーターステフ・デュトイ  8.ドウェイン・フェルミューレン  9.ファフ・デクラーク  10.ハンドレ・ポラード  11.マカゾレ・マピンピ  12.ダミアン・デアレンディ  13.ルカンヨ・アム  14.スブ・ンコシ  15.ウィリー・ルルー

〔リザーブ〕
16.マルコム・マークス  17.スティーヴン・キッツォフ  18.ヴィンセント・コッホ  19.RG・スナイマン  20.フランコ・モスタート  21.フランソワ・ロウ  22.ハーシェル・ヤンキース  23.フランソワ・ステイン

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