ラグビーワールドカップ2019日本大会で最も観客を興奮させてきたひとり、俊敏なホットステッパーのチェズリン・コルビは、足首を痛めて準決勝には出場できない。それでも、替わって背番号14をつけるスブ・ンコシもエキサイティングなスピードスターであることは、わずか10試合で8トライを記録したテストマッチで証明済みだ。
「チェズリンが出場できないのは大きな打撃だ。彼の選手としての資質や貢献ぶりは誰でも知っている」
南アフリカ代表“スプリングボックス”のラシー・エラスマス ヘッドコーチは、準決勝(vs ウェールズ代表/10月27日:横浜国際総合競技場)に臨むメンバー発表会見でそう言った。コルビのスピードと敏捷性は、元ウェールズ代表のシェーン・ウイリアムズや、ニュージーランドのダミアン・マッケンジー(負傷で今大会に参加できなかった若き万能BK)に並びラグビー界ではトップクラスと高く評価している。
「だが、スブが100%の状態なら70%のコルビよりいい」と指揮官。「スブには完全な信頼を置いているし、最近のプレーぶりなら出場するのに値する。それに、空中戦ならスブはチェズリンや世界のベストプレーヤーに匹敵するものを持っている。フィジカル面ではチームにまったく違った部分を与えてくれる。試合展開では従来通りになる面もあるだろうが、スブをちょっと違う使い方をするかもしれない」
コルビ以外は、準々決勝で日本代表に26-3と快勝したメンバーと同じ。12年ぶり3度目のワールドカップ制覇へ向けチームは充実している。選手時代は世界クラスのフランカーで1999年のワールドカップにも出場しているエラスマスは、優秀な戦略家である。準決勝へ向けてこうコメントした。
「戦い切ってワールドカップを勝ち獲りたい。タフな挑戦だと承知しているし、ウェールズもイングランドもニュージーランドも優勝したいと思っている。みんな南アフリカより世界ランキングは上だし、選手もコーチも素晴らしい。だが、我々にも同じようにチャンスがあり、日本のファンがもっとたくさん応援してくれるよう願っている」
<RWC2019 準決勝 南アフリカ代表 試合登録メンバー>
1.テンダイ・ムタワリラ 2.ボンギ・ンボナンビ 3.フランス・マルハーバ 4.エベン・エツベス 5.ルード・デヤハー 6.シヤ・コリシ(主将) 7.ピーターステフ・デュトイ 8.ドウェイン・フェルミューレン 9.ファフ・デクラーク 10.ハンドレ・ポラード 11.マカゾレ・マピンピ 12.ダミアン・デアレンディ 13.ルカンヨ・アム 14.スブ・ンコシ 15.ウィリー・ルルー
〔リザーブ〕
16.マルコム・マークス 17.スティーヴン・キッツォフ 18.ヴィンセント・コッホ 19.RG・スナイマン 20.フランコ・モスタート 21.フランソワ・ロウ 22.ハーシェル・ヤンキース 23.フランソワ・ステイン