今年のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)王者であるウェールズ代表が苦しみながらもラグビーワールドカップ2019日本大会でベスト4入りを果たした。10月20日、大分スポーツ公園総合競技場でフランス代表と準々決勝を戦い、20-19で激闘を制した。
フランスはラフプレーをした選手が一発退場となって30分以上14人での戦いを余儀なくされ、踏ん張ったものの、終盤に逆転された。
ウェールズは2011年大会(4位)以来のベスト4入り。10月27日に横浜国際総合競技場でおこなわれる準決勝第2試合では、日本代表×南アフリカ代表の勝者と対戦する。
先制したのはフランスだった。前半5分、モールから離れた小さな塊がゴールに迫り、LOセバスチアン・ヴァアマイナが密集からボールをピックアップしてインゴールに突っ込んだ。その3分後には自陣からCTBヴィリミ・ヴァカタワが突破し、10-9-7とつなぎ、シャルル・オリヴォンがゴールへ。フランスサポーターが沸いた。
流れを変えたいウェールズは12分、ディフェンスプレッシャーでボールを奪い返し、FLアーロン・ウェインライトがハーフウェイからダイナミックに走り切り、トライ。20分にはPGで加点し、2点差に詰めた。
だが29分、負傷したNO8ジョシュ・ナヴィディに替わって入ったばかりのロス・モリアーティが相手選手に危険なタックルをしてしまい、イエローカード、10分間の退出を命じられてしまう。一方、キックを巧みに使って自分たちのペースに持ち込み、さらに数的有利となったフランスは31分、敵陣深くに入って攻め込み、切り込んだWTBダミアン・ペノーからオフロードパスをもらったCTBヴァカタワがトライゲッターとなり点差は広がった。
しかし、劣勢な時間帯に辛抱して傷口を大きく広げず、9点ビハインドで折り返したウェールズは、後半序盤のフランス攻撃にも耐え、さらに、49分(後半9分)、フランスのLOヴァアマイナが密集で相手選手の顔面を肘で殴ったことがビデオで確認され、レッドカードで一発退場、流れは変わった。
ウェールズは54分にPGで6点差に詰めた。
フランスは14人で奮闘を続けていたが、74分、ウェールズが敵陣深くの数的有利なスクラムでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、NO8モリアーティがトライ。DOダン・ビガーのコンバージョンも決まり、逆転した。
そして、残り時間をボールキープで逃げ切ったウェールズが歓喜の瞬間を迎えたのだった。