オールブラックスの試合前のカパオパンゴを打ち消すアイランドのサポーター。準々決勝を迎えた東京スタジアムは4万8656人の観衆が集まり、試合前から両チームのサポーターは大興奮。熱狂の渦に包まれた。
昨年11月にダブリンでノートライに抑えられたオールブラックは、試合開始から全力でグリーンの壁にぶつかっていく。なかなか、壊せない壁に対して、開始6分、オールブラックスは手堅くペナルティーのチャンスにPGを狙って3点を先取した。
その後も両チームが激しくぶつかり合ったが、オールブラックスの選手たちが、じわじわと前進していく。14分にはフェーズを重ねて、最後はラックサイドをSHアーロン・スミスが中央に飛び込む。20分にも右サイドのスクラムから左へ大きく展開。一気にゴール前まで迫ると、再びSHアーロン・スミスが抜けだしてトライを決めた。リッチー・モウンガのゴールも決まり、一気に17-0とした。
一矢を報いたいアイルランドは、サインプレーで何とかゲインラインを突破しようとしたが、SOジョナサン・セクストンがタックルを受けてボールを落とす。そのボールをキックで拾われ、ドリブルして前進したFBボーデン・バレットに押さえられてしまう。キックは外れたが、22-0で折り返した。
後半に入っても流れは変わらなかった。8分、ニュージーランドはゴール前でFWを使って突破を図る。最後はLOブロディー・レタリックが2人に倒されながらもボールをつなぎ、HOコーディー・テイラーが中央にトライ。ゴールも決まり29-0。
後半20分には、キックパスからチャンスをつくり、交代で入ったマット・トッドがトライ(34-0)と突き放した。
しかし、アイルランドはあきらめない。後半29分にスクラムから、ジョーイ・カーベリーがトライを返すと、36分にはペナルティー・トライ。41-14と追い上げた。
それでも、最後は、ジョディー・バレットにダメ押しのトライを挙げられて、46-14。王者オールブラックスが力の差を見せつけた。
ワールドカップ3連覇を狙うオールブラックスは、準決勝でオーストラリアに勝ったイングランドと戦う。