4年前の前回ワールドカップでは自国開催ながら初めてプールステージ敗退の屈辱を味わったイングランド代表。日本代表を世界と互角に戦える集団に鍛え上げた名将エディー・ジョーンズをヘッドコーチに迎え、2016年と2017年に欧州6か国対抗戦連覇、テストマッチ18連勝(ジョーンズ体制で17連勝)を記録するなどチームを再建し、2003年大会以来2度目のワールドカップ優勝を狙っている。最新世界ランキングは3位。スポーツを賭けの対象とする海外大手ブックメーカーのウィリアムヒルでは、優勝予想のオッズでニュージーランド、南アフリカに次ぐ人気だ。
2019日本大会では“死の組”と呼ばれたプールCに入り、1位通過。フランスとの最終戦は台風の影響で中止となったが、指揮官は「準々決勝へ向けたっぷり準備ができる」と前向きにとらえ、10月19日、大分スポーツ公園総合競技場でオーストラリア代表“ワラビーズ”との大勝負に臨む。
前回のワールドカップでは同組に入り敗れているイングランドだが、オーストラリア出身のエディー・ジョーンズが指揮官となってからはワラビーズ相手に6戦全勝と相性がいい。
「過去のことは19日の試合には影響しない。わかっているのは準備が十分できているということ。フィジカル面でも戦術面でもいい準備ができている。オーストラリアもそうだろうから、いい試合になるだろう」
そうコメントしたジョーンズ ヘッドコーチはオーストラリア代表を次のように評価する。
「(相手ヘッドコーチのマイケル)チェイカはいい仕事をしており、(同胞として)誇りに思っている。私の親友でもあり、お互いにライバルチームを指揮してきた。相手はクレバーでいいプレーをする。過去半年から1年でスクラムとラインアウトがかなり良くなってきており、負かすのがそれだけ大変になっている」
準々決勝はベストメンバーで臨む。フランカーは、ジョーンズ ヘッドコーチが“カミカゼキッズ”と呼ぶ21歳のトム・カリーと23歳のサム・アンダーヒルが先発。オーストラリアが誇るデイヴィッド・ポーコック&マイケル・フーパーとの対決も楽しみだ。
「すごい対戦になるだろう。ポーコックはここ10年ではおそらく世界で最も抜きんでたフランカー。フーパーはオーストラリアにとってすごく大事なプレーヤーでチャンスメーカーでもあり、カギとなるチームリーダー。しかし、われわれの2人も試合ごとに良くなってきている。カリーはこの6週間か8週間でラインアウトのジャンプがものすごく良くなってるし、アンダーヒルは私が見てきたなかでおそらく最も戦闘的なフランカーだ。ブレイクダウンの際にはいつも左右のフランカー同士の戦いになるだろう」(ジョーンズHC)
キャプテンのオーウェン・ファレルは、プールステージではインサイドCTBでプレーしていたが、準々決勝では背番号10をつける。負けたら終わりのノックアウトステージで「興奮している」と語り、マヌー・トゥイランギ、ヘンリー・スレイドとのセンターラインについては、「相手ディフェンスをてこずらせることができる。われわれはかなり手ごわい10-12-13コンビだ。オーストラリアはボール保持がいいチーム。(ボールを奪い合う)攻防が多くなるだろうが、われわれの3人組はそれに対応する準備ができている」と自信を示した。
<RWC2019 (準々決勝: vs オーストラリア) イングランド代表 試合登録メンバー>
1.マコ・ヴニポラ 2.ジェイミー・ジョージ 3.カイル・シンクラー 4.マロ・イトジェ 5.コートニー・ロウズ 6.トム・カリー 7.サム・アンダーヒル 8.ビリー・ヴニポラ 9.ベン・ヤングズ 10.オーウェン・ファレル(主将) 11.ジョニー・メイ 12.マヌー・トゥイランギ 13.ヘンリー・スレイド 14.アンソニー・ワトソン 15.エリオット・デイリー
〔リザーブ〕
16.ルーク・カウワンディッキー 17.ジョー・マーラー 18.ダン・コール 19.ジョージ・クルース 20.ルイス・ラドラム 21.ウィリー・ヘインツ 22.ジョージ・フォード 23.ジョナサン・ジョセフ