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歓喜の「ビクトリーロード」! 日本代表の闘将リーチ、結束と特別な思い語る。

2019.10.14

激闘後の日本代表ロッカールーム。「ビクトリーロード」を熱唱(写真:日本ラグビーフットボール協会提供)


 チームソングの「ビクトリーロード」が日本代表ロッカールームで響いた。日本ラグビーの歴史を変える大きな仕事をやってのけた。歓喜、抱擁、そして大いに歌った。
 スコットランド代表との激闘を28-21で制し、プールAの戦いを4戦全勝、ワールドカップで悲願のベスト8入りを果たした。

「今日はただの試合じゃなかった。みんなで気持ちをそろえてきた。スキルだけでなく、気持ちで勝った」
 魂のタックルを連発して何度もピンチを防ぎ、体を張ってチームを鼓舞したリーチ マイケル主将は熱闘をそう振り返った。
「チームにとにかく勢いがあったので相手をストップできた。プラン通りプレーしたし、奪い返してさらに勢いがついたのが非常に重要だった」

 試合前には、日本を襲った大型台風19号で犠牲になった人を悼み、黙とうがささげられた。ラグビーワールドカップでは3試合が中止となり、横浜での日本×スコットランド戦も開催が危ぶまれたが、関係者すべての努力もあって試合はおこなわれ、歴史的名勝負が生まれた。
 リーチ主将をはじめ、日本代表の選手たちはみな、試合勝利を喜んだだけでなく、台風で犠牲になった人たち、つらい状況の人たちへの思いも口にした。
「私たちだけの試合ではない。苦しんでいる人のものでもあると思っていた。この試合を実現させるために床をスポンジで掃いたり、たくさんの方が努力してくれたのもわかっていた。試合ができたことに本当に感謝。こういうときこその試合が日本のみなさんの役に立つと思っていた」

 そして、精いっぱいラグビーをプレーした。すべてを出し切った。多くの応援を力にして、チーム一丸となった“ブレイブ・ブロッサムズ”は歴史をつくった。
「一番の理由は信じること、ビリーフが一番のきっかけ。(リーチにとってワールドカップ初出場となった)2011年から振り返ると、対戦する相手が段々上がって、ティア1(強豪国)とやる機会も増えて、スーパーラグビー(国際リーグ。日本チームのサンウルブズが2016年から参戦)の影響もすごく大きくて、コーチもどんどん良くなってきてる。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチの下でやって、指導とコーチ陣のおかげ」

 勝因をそう語ったリーチ主将。世界のベスト8に入り、これからは優勝を争うノックアウトステージに進む。準々決勝の相手は過去2度のワールドカップ優勝を誇る南アフリカだ。
「来週(10月20日)勝つ気でいきます。負ける気なんてない」

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