プールDのラストマッチは、勝ち点2以上でプール1位となるウェールズと、勝てばプール3位となるウルグアイの対戦。中3日のウェールズに対し、中7日のウルグアイは序盤からアグレッシブに攻めた。トライかと思われたプレーが三つスローフォワードの判定となったウェールズは、それでもウルグアイの勢いをいなして前半を7-6でしのぎ、最後はセーフティーリードを奪って35-13でプール戦を終えた。
前試合のフィジー戦から先発を13人入れ替え、準々決勝を見据えたウェールズ。立ち上がりからウルグアイに押し込まれながらも、アタックでは冒険的に平行パスを動かした。この素晴らしいパスがレフリーのアンガス・ガードナーの基準には叶わず、2度ともスローフォワードに。レッドドラゴンは16分にPRニッキー・スミスのトライ、FBリー・ハーフペニーのGで7-0と先制するが、21分、38分にウルグアイにPGチャンスを与え(SOフェリペ・ベルチェシが成功)、ウェールズ 7-6 ウルグアイで折り返した。
後半に入り48分、密集付近でも前に出始めたウェールズはWTBジョシュ・アダムスの左隅へのトライ(G成功)で14-6、56分にも畳み掛けるようにアタック。赤いジャージーがインゴールに踊ったが、ここで三たび判定はスローフォーワード。ウルグアイの終盤の抵抗を引き出した。
21-6で迎えた70分、中盤で相手の反則を引き出したウルグアイが、ラインアウトから連続攻撃。ゴールラインにFWで圧力をかけ、最後はHOヘルマン・ケスレルがレッグドライブ、押し込んでトライを決め、Gも成功して21ー13の8点差に。残り8分で勝負を分からなくした。
ウェールズは73分にSHトモス・ウィリアムズのトライ(G成功)で28-13としたが、その後もウルグアイは果敢に攻めた。ラストプレー、キックで切れば終わりのゲームを、両チームとも最後までアタックした。互いにターンオーバーを繰り返した末にSHガレス・デーヴィスのトライが決まり、35-12でウェールズがインゴールに飛び込んだ時には、スタジアムが拍手でいっぱいになった。
敗れたウルグアイは勝ち点4の最下位で終戦となった。しかし、プール初戦でフィジーを破った試合と合わせ、世界のラグビーファンに新鮮な魅力を発信する大会となった。真っ向勝負のフィジカル戦、思い切りのいいラインアタックに、信念を感じるしつこいディフェンス。次大会の自動出場権は得られなかったが、ワールドカップはまた、ウルグアイを待っている。