プール最終戦、すでにプール敗退が決まっている両チームにとっては純粋なる「マッチ」だった。
互いにここまで勝利はなし、疲労の色濃い両チームの動きは決してキレがあるわけではない。アメリカは酷暑の熊谷でアルゼンチンとの死闘を4日前に終えたばかりだった。それでも試合の熱は十分に高い。近場の攻め合い、守り合いは見応えがあった。後半にPG、2トライを挙げたトンガが、貴重な1勝を収めた。
先制はトンガ。攻撃は自陣10㍍ライン手前からスタートした。狭いサイドをLOレヴァ・フィフィタが突破、SOジェームズ・ファイヴァが柔らかく走り抜けゴール前へ。ラックを刻み、PRジークフリート・フィジオイがインゴールへねじ込んだ。アメリカは20分、25分にWTBマイク・テオが連続トライで逆転。その後は再びトンガの時間が続いたが、アメリカは、34分にSHルーベン・デハースがトライセービングタックルでスコアをキープし、ハーフタイムへ。
後半、ポゼッションは7-12で追うトンガ。重量と打撃力のあるトンガの突進が続き、50分にはSHソナタネ・タクルアがPGで10-12と迫ると、57分にCTBマリエトア・ヒンガノ、61分にCTBシアレ・ピウタウの連続トライで24-12として勝利を手繰った。
57分のトライは、アメリカの10次を越える連続攻撃をしのぎ、ボールを奪って自陣から攻めたもの。サポートに走るトンガのラン、諦めずにカバーディフェンスに戻るアメリカの姿には、スタンドの観客も呼応した。その後、両チームとも1本ずつトライを取り合ってノーサイドとなった。